株式会社いつつ

将棋を学ぶ 2017年4月14日

いいことがいっぱい詰まった詰将棋

金本 奈絵

「詰将棋、実戦、棋譜並べ」が、昔からよくいわれる将棋勉強法の3つであることは、以前のいつつブログでも紹介させていただきました。

そこで、今回は、3つの中でも、1番最初に名前が挙がるくらい、特に大切とされている、「詰将棋」のいいところについてお話ししたいと思います(^ ^)(もちろん実戦、棋譜並べもとても大切ですよ。)

1.終盤のパターンが分かるようになる

詰将棋を通じて持ち駒を使う練習をしよう。
詰将棋を通じて持ち駒を使う練習をしよう。

初心者どうしの将棋の対局でありがちなのが、「いつまでたっても終わらない」という現象です。

こうしたことの原因の1つとして考えられるのは、互いに「駒を取る」ことに夢中になってしまい、なかなか「玉を捕まえる」という目的に辿りつかないことが挙げられます。確かに、対局をより有利に進めるためにも、手元にはできるだけたくさんの駒を置いていたいし、万が一「間違ったところに打ってしまったら」と持ち駒を使うことに対して消極的になってしまう気持ちも分かります。

しかしながら、相手に勝つには、駒を相手から取って集めるだけではなく、取った駒をちゃんと再利用しなければなりません。

そこで役に立つのが詰将棋です。詰将棋をたくさん解くことにより多くの詰みのパターンを認識し、それを実戦に応用することができます。つまり、「この場面でこの駒を使えば詰み!」と覚えておけば、取った駒を有効に使うことができますよね

また、詰将棋では、玉を詰ます「攻め方」と玉を逃げる「玉方」という二つの立場があります。

自分だけではなく相手の目線になって考える必要もあるので、「こう逃げれば詰まない!」というパターンも覚えることができます。なので、色んな詰将棋をたくさん解くうちに「決着する形」が身につき、冒頭で紹介した「いつまでたっても終わらない」という現象の解決につながります。

2.思考力がつく

詰将棋は1手1手しっかり考える必要があります。
詰将棋は1手1手しっかり考える必要があります。

少し極端な話になりますが、駒の動き方さえ知っていれば、ほとんど何も考えずとも将棋の対局を行うことができます。さらに言うと、早見表(駒の動き方を記したもの)や簡単なルールが記載されたハンドブックさえあれば、今生まれて初めて将棋に触れるという人であっても対局は成り立ちます。

しかしながら、ただルールに沿って、ほとんど何も考えずに適当に駒を動かしたところで、そんなゲームちっとも楽しくないですよね。

将棋の本質はあくまで考えることにあり、考えながら指すからこそ、勝てばとても嬉しいですし、負けるととても悔しいわけです。

さて、話を詰将棋に戻します。

詰将棋の場合は対局とは異なり、とりあえず適当に指すという場面は一切存在しません。攻め方は毎回王手をかけながら最短手で詰まさなくてはならず、玉方は、1番手数がかかる方法で逃げなくてはならないわけですから、1手1手に必ず正解が存在するわけです。そうなると、指し手は、自分が攻め方であれ玉方であれ、毎回答えを導き出すためにちゃんと考える必要が発生します。

詰将棋の問題は終盤の局面を想定して作成されるものですが、詰将棋を通じて1手1手何が正解なのか考えるというクセをつけることにより、序盤や中盤といった局面でも適応できるような思考力を身につけることができます。

3.一人でどこでも楽しめる

詰将棋は本などを見ながら一人で楽しむこともできます。
詰将棋は本などを見ながら一人で楽しむこともできます。

対局をするとなると、相手を探してこないといけなくなったり、かさばる盤や駒といった道具を出してこなければならないなど、ちょっとした手間が発生しますが、詰将棋は本やアプリ、たまに新聞などにも掲載されていたりもするので、「詰将棋がしたい!」と思ったその時に、いつでもどこでも、そして一人でも楽しむことができます。

ここで攻め方と玉方で二人いるんじゃないの?といった疑問が出てくるかもしれませんが、安心してください。詰将棋では、一人二役というシチュエーションがほとんど。攻める方法と守る方法が同時に学べるという点でもとても効率のいい勉強法なんです。

4.短時間でできる

時間のかかる対局を1日何度もするとなるとママも大変
時間のかかる対局を1日何度もするとなるとママも大変

1番でもお話ししたように、初心者どうしの対局では、互いに対局を終わらせるスキルを持ち合わせていない場合も少なくないため、1局を終えるまでに時間がかかって仕方ありません。

しかしながら、将棋に限らずなんでもそうなのですが、何かを始めてから、継続するにまで至るには、「嬉しい」とか「楽しい」といった体験を少しずつ積み重ねることが大切になります。

対局における「嬉しい」とか「楽しい」は、通常「勝った」というところから得られるかと思うのですが、勝つまでにあまりにも時間がかかってしまうと、楽しくなる前に、心が折れてしまいますよね。

一方、詰将棋の場合は、対局における「勝った」が「できた(解けた)」に変わります。もちろん難易度によっては、「できた」を得るまでに対局時間よりも長い月日がかかるものもあるのですが、簡単なものだと「1手詰め」といって最初の1手で詰ませることができるので、ものの数分くらいで「嬉しい」「楽しい」を実感することができます。

また、小さなお子さんの場合、将棋の相手をする人があまりまわりにいないため、どうしてもママに「一緒に将棋しよ(^ ^)」となるかと思うのですが、ママも家事に育児、もしかすると仕事もあったりして、とても忙しい身。最初の1局だけならまだしも、「もう1回!もう1回!」攻撃にあうと、なかなか大変だと思います(^_^;)

その点簡単な詰将棋であれば、お子さん一人でも楽しむことができるので、「ママできたよ〜( ´ ▽ ` )ノ」と持ってきたら「すごいね〜(^ ^)」と褒めてあげるだけで子どもたちはとっても喜びます。

5.みんなと相談しながらできる

3番の一人で楽しめるというのと少し矛盾しているように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、詰将棋は複数で楽しむこともできます。例えば、将棋教室などで、少し時間のかかる難し目の問題を出せば、大盤や実際の盤に駒を並べてみんなで「あ〜でもないこ〜でもない」と相談することができますよね。

対局の場合だと、口出し厳禁、対局者二人も黙々と指していることが多く、なんとなく終始黙っていないといけないような雰囲気だったりするのですが、おしゃべりしながらの方が考えや気持ちが整理されたり、気分転換にもなると思うので、ぜひ一つの詰将棋の問題にみんなで取り組んでみるのも楽しいかと思います。

ちなみに、ここで一つ注意したいのは、複数で詰将棋をする場合は、できるだけ同じくらいの棋力の子どもたちを集めた方がいいという点です。というのも、子どもたちに棋力の差があると、どうしてもできる子たちばかりが答えてしまい、そばで見てるだけの子にとっては、とてもつまらない時間になってしまうからです。

6.途中であきらめることができる

考えが煮詰まってきたら一旦ストップして別のことをすると気分転換に
考えが煮詰まってきたら一旦ストップして別のことをすると気分転換に

対局だと途中で辞めてしまうと、それは即ち「負け」になってしまうため、どんなに辛い状況であっても、なかなか自ら投げ出すということはできないのですが、詰将棋については基本的に勝ちも負けもないので、考えが煮詰まってきたらそこで「一旦ストップ!」という手段を取ることができます。

少し時間を空けてもう一度取り組むのもあり、そのまま全く新しい問題に取り組むのもありだと思います(^ ^)

さて本日は、詰将棋のいいところについて色々述べてみましたがいかがでしたでしょうか?詰将棋にはいいところがいっぱいあったので、いつもなら5つなんですが、今日は6つも書いてしまいました。

冒頭でも申し上げたように、詰将棋は棋力をあげるための練習法ではあるのですが、こうしてみると、対局に少し疲れた時のリフレッシュのような位置付けとしてもとても良さそうですよね(^ ^)

もちろん「強くなる」ということも大切なのですが、いつつでは、それ以上にたくさんの子どもたちに将棋を楽しんでもらいたいと思っています。

いつつブログには、他にも詰将棋について書いた記事があります(^ ^)

いつつが運営するオンラインショップ神戸の将棋屋さんいつつでは、詰将棋のように将棋をより楽しくするようなグッズが続々登場しています*\(^o^)/*

この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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