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将棋を学ぶ:はじめての将棋教室 2018年6月18日

あきこ先生の “はじめての将棋教室” ステップ3-3駒の価値

中倉 彰子

ステップ3-3駒の価値

今日のレッスンでは、「駒の価値」を学びます。8種類ある駒は大事にするべき順番があります。駒の価値は「駒の強さ」とも言い換えられますね。

駒の価値の高さ
駒の価値の高さ

では、上から順番に見ていきましょう。まずは「王(王将・玉将)」です。王様は取られてしまっては将棋が負けてしまうので、強さというより最も大事な駒ということで、一番上です。

2番目は「飛車」です。たくさん動くことができますので最強の駒ですね。成駒になるとさらに強くなりますから、早めに成って、大事にそして積極的に使っていくとよいでしょう。

「角(角行)」は「飛車」の少しだけ下の3番目です。飛車と角は、「大駒」といって、少し大きな駒で作られていて、見た目にも強そうですね。どちらもたくさん動くことができまて、価値の高い駒です。

ここから先、4番目以降は「小駒」(こごま)となります。少し小さめに作られている駒ですね。小駒の中で最初にくるのは「金(金将)」です。王の近くで守りに強い駒ですね。それより少し下がって5番目は「銀(銀将)」です。小駒の中でも、「金」と「銀」は「かなごま」とも呼ばれますよ。よく似ている金と銀ですが、金の方が1方向だけ動ける方向が多いのでこのような順番になります。

6番目は「桂馬」、そして「香車」の順に来て、最後は「歩(歩兵)」となります。歩は8種類の駒の中で一番価値の低い駒になりますが、数は最も多いので歩を上手に使えるようになると、将棋も強くなりますよ。また、「一歩千金」といって、局面によっては金以上の価値がある場合もあります。

上記のように、実は駒の価値は局面によって変わります。例えば「金を持っていたら勝ち!」という局面では、金が最も必要になり、その場での価値は一番高いです。動き方に違いがあるからこそ局面ごとに価値が変わるんですね。

ですが、まずは基本として図のようなおおよその価値を知ることが大切です。駒の価値を知っていると、駒を交換する時に役に立ちますし、相手の駒を両方取ることができる時に選ぶ判断基準になります。(今後のレッスンで学びます)

〜レッスン後〜

駒の価値を学んだ今回のレッスンでしたが、「駒を並べる順番と一緒だよ。」とあっさり順番を覚えてしまいました。そうでしたね。いつも大橋流で並べているのですが、(飛車と角の大駒を除けば)いつも通りの駒を並べる順番が、そのまま価値の順番と重なっていますので、すんなり頭にはいったようです。

「飛車が成ったら?」「龍!」と元気に答えるこどもたち。最強の駒はやっぱり人気ですね。「金は王様の ボティーガード」「銀は1枚は守り1枚は攻め」という先生の言葉が印象的でした。駒の役割分担ってあるのですね。「歩の手筋はいっぱいあります。歩を上手に使ってあげると強くなるよ。」とのこと。小さい駒だけどすごいんだねーと子どもたち。また「歩が成ったら金になるから4つも上の駒と一緒になるんだよ。歩ってすごいよね!」と歩のパワーアップのすごさに改めて気づいたようです〜。

次回のステップ

さて、今回の “はじめての将棋教室” はいかがでしたでしょうか?次回は、「上手に駒を取る」について学びます☆

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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