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変則将棋ブログ

ルールをしっかり理解して将棋が指せるようになると、多くの人はまず身近な人と対局を行うと思います。家族や友だちが多いでしょうか。

気心知れた相手と将棋を指す時間は楽しいひとときですが、毎回同じ相手だとちょっと飽きてしまいますよね。

そんなときに良い気分転換になるのが、「変則将棋」です。変則将棋とは、本将棋に特殊なルールを加えた将棋のことで、普段とは違う趣旨で楽しむことができるのが利点です。

今回のブログでは、個人的に面白いと感じる変則将棋を紹介したいと思います。

1. 勝利条件は超かんたん!「王手将棋」

とにかく、王手を掛ければ勝ち!

まずは「王手将棋」を紹介します。本将棋では相手の王を詰ます(取る)ことが勝利条件ですが、王手将棋ではたった一回、相手に王手をすることが勝利条件になります。

どんな形であれ、王手さえしてしまえば自分の勝ちになるので、実をいうと開始早々、ほどよい緊迫感が盤上に漂っています。どういうことなのか、具体的に説明します。

画像の局面は、初手から▲7六歩△3四歩と進んだ状態です。わずか2手しか進んでいませんが、何とここでは先手(手前側)には勝負を決める一着があります。

それは、▲3三角成!と角を動かす手が正解です。本将棋なら相手に取られてしまうので大損ですが、王手将棋では3三の馬で5一の玉に王手がかかっているので、これで先手の勝ちになります。

ちなみに、先手が▲2六歩のような手を指すと、△7七角成!と逆に王手を掛けられてしまい、あっという間に負けとなってしまいます。

このように、油断していると簡単に王手を掛けられてしまうので、必然的に受けの手を指す重要性が高くなります。初心者で、特に子どもは攻めに意識が傾いている方が多く、守りは疎かになってしまいがちですが、王手将棋を指させることにより、そういった悪癖を改善する効果も期待できます。

2. 連続で指せる瞬間を上手く使え!「詰めろ将棋」

詰みの形を多く知っていると有利ですね。

続いて、「詰めろ将棋」を紹介します。これは性質としては王手将棋に似ているところがあります。この将棋の勝利条件は、「相手の玉に詰めろを掛ける」ことです(なお、「詰めろ」とは次に相手の玉を詰ますことができる手のことです)。

詰めろ将棋では、相手の玉に詰めろを掛けるときに、『詰めろ』と相手に宣言しながら指します。
宣言すると、宣言した対局者にもう一回手番が回り、詰めろを証明するために宣言した対局者は、相手の玉を詰ましに行きます。つまり、詰めろを発動した瞬間は合法的に二手指しができるのがこの将棋の最大の特徴です。

……とルールを書き連ねられても、ちょっと難しいですよね(^_^;)画像の図面を使って、説明してみましょう。

画像の局面は先手の手番です。本将棋ならば、大量に駒を保持している後手が勝勢と言える状況ですが、詰めろ将棋ではここから先手が勝つことができます。

まずは▲2三歩と打ちます。そして同時に、『詰めろ』を宣言します。宣言すると、もう一回手番が回ってくるので、▲2二金と打つことができます。そうなると後手の玉は詰んでしまうので、先手の勝ちとなります。

一つだけルールを補足すると、『詰めろ』を宣言した対局者は、必ず相手の玉を詰まさなければいけません。詰ますことができなかった場合は、『詰めろ』の宣言が嘘だったことになるので、宣言した方が負けとなります。

この将棋の利点は、実戦の中で詰めろと詰みの練習が行えるところにあります。自分の経験上、”詰将棋は解けるけれど、実戦での詰みは発見できない”という方は多数いらっしゃいます。
なぜなら、対局中は詰将棋と違い、この局面は詰んでいるよ!と誰も教えて来れないからです。

しかし、「詰めろ将棋」を指せば、詰みと詰めろを見つける訓練になるので、終盤力の強化になると考えています。

3. 進化?それとも劣化?「安南将棋」

駒の動きは千変万化!

「安南」という単語は、ベトナムの中部地方を意味しますが、はっきり申し上げると、それとこれとは全く関係ないです笑

なぜこのような名称なのか、由来は存じ上げないのですが、ひとまずそれは置いておき、安南将棋のルールを説明したいと思います。

安南将棋のルールを端的に説明すると、盤上に配置されている全ての駒は、そのすぐ下に味方の駒が存在するとき、その駒の性能に変化します。

つまり、自分の駒が▲5七歩・▲5八飛と配置されていたら、5七の歩の動きは飛に変化します。強い駒が増殖する恐ろしい状態ですね笑

ちなみに、安南将棋の初期配置は、画像のように2筋と8筋の歩を一つ前に出した局面からスタートします。これには理由があり、本将棋のように2七に歩を置いてしまうとその駒が飛になってしまうので、初手から▲2三歩成といきなり敵陣に進出する手が発生してしまいます。それを防止するための措置という訳ですね。

安南将棋のコツは、自分の歩の下に強い駒を配置することです。そうすることにより、歩という弱いはずの駒がどんどん強力な駒に変身するので、自軍の戦力を増強することができます。
また、相手の歩の上に強力な駒を誘導させるのも有効な戦略です。例えば、相手が歩の上に王を配置してくれれば、王が歩の動きになるので、簡単に捕まえることができるようになりますね。

この将棋の利点は、駒の利きを頭の中で認識する力を鍛えられるところにあります。敵味方問わず、様々な駒の利きが目まぐるしく変わるので、本将棋よりも駒の動きが複雑になります。少しばかり初心者には敷居が高いかもしれませんが、安南将棋の駒の利きに慣れてしまえば、本将棋で角道を間違えるなどのミスは犯さなくなると思います。

4. 見えない恐怖と戦う!?ついたて将棋

自分の玉が見つからないように指すのがコツです。

今まで紹介してきた変則将棋は、1つの盤で40枚の駒を使用していますが、このついたて将棋は、二つの盤を使用します。そして、この将棋は審判を一人用意する必要があります。理由は後述します。

対局を始めるにあたって、まずは画像のように一つの盤に自分の駒だけを配置します。

対戦相手はもう一つの盤を使い、同様に味方の駒のみを用います。

これで準備は完了です。あとは本将棋のルールに則って、指すだけです。

つまり、この将棋では相手の駒が見えない状態で将棋を指すことになります。相手が何回、駒を動かしたのかは把握できますが、それがどこに移動したのかは不明です。

相手の駒が見えないのであれば、駒を取るときはどうなるんだという疑問を持たれた方は、鋭いですね。そこで審判の出番です。審判は駒を取る手があった際に、それを駒台へ移動させる役目があります。

審判は他にも対局者に王手や反則手の通知を行う役目があります。反則は一局につき、10回まで許容されており、それを超えると反則負けとなります。

この将棋の利点は、相手の心理を推測する洞察力が鍛えられる点にあります。

本将棋は完全情報ゲームですが、相手の心理を読むことも重要な技術の一つです。このスキルを磨いておくと、形勢が悪いときや駒落ちの上手を持ったときに便利ですね。

ついたて将棋は「将棋クエスト」というアプリでも楽しむことができます。一見、運の要素に比重が傾いているように思えますが、勝つためには的確に相手の指し手を推量しなければいけないので、意外に実力が反映されます。

5. 四方向に進んで盤上を切り裂け!「4人将棋」

漁夫の利を念頭に置くのが戦い上手です。

本来、将棋は二人で指すものですが、そんな概念をぶっ壊してしまったのがこの「4人将棋」です。

「4人将棋」は文字通り、4人でプレイします。ただし、全ての駒を使う訳ではなく、使用するのは、王・飛・金(2枚)・銀(2枚)・歩(3枚)の計9枚1組。これを4人分、配布します。(王と飛を4枚づつ使うので、駒が2セット必要になる)

初期配置は画像の通りです。対局者が4人いるので、駒の向きが四方向ですね。なかなかお目にかかれない状況です笑

本将棋とのルールの相違点は、
①時計回りに手番が回る。
②王手を掛けられたら、対象の対局者に手番が回る。
③詰まされた玉は、誰も動かせない駒として障害物となり盤上に残る。
④最後まで詰まされなかった対局者が勝ち。

以上です。あとは本将棋と同じですね。

この将棋の利点は、一度に二人以上の人数で将棋を楽しむことができるところです。また、2対2でチームを組むダブルス戦で遊ぶこともできるので、本将棋では得ることができない団結力を育む効果も期待できます。

ただし、「4人将棋」は一つだけ欠点があり、それは最初に詰まされた対局者が手持ち無沙汰になってしまうことです。早く負けてしまった人を仲間外れにしないようにする、思いやりの精神を持って遊ぶようにしましょう。

いかがでしたか?変則将棋は他にも「取る一手将棋」や「じゃんけん将棋」など、様々な種類があります。新しいルールを創造して、自分たちだけの変則将棋を編み出してみるのも面白いでしょう。どのような形であれ、将棋と楽しく接してもらえれば、指導者としてそれに勝る喜びはありません。

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