株式会社いつつ

子育て 2016年9月23日

親と子で歴史を紡ぐ。将棋道具を「受け継ぐ」ことのススメ。

金本 奈絵

女子の憧れパリジェンヌ。

なぜ彼女たちはこうもお洒落に見えるのでしょうか。流行の最先端だから?いやいや、むしろ流行やトレンドに流されない普遍のかっこよさを身にまとっているからだと思います。

パリの女の子が好んで身につけるものの一つに「お母さんやおばあちゃんが身につけていたもの」というのがよくあります。「もの」というのは、基本的に時間の経過とともに劣化し、状態もどんどん悪くなっていくのですがが、彼女たちの持つそれらの場合は、古さが「レトロ」や「ビンテージ」という価値に昇華されています。

しかし、お母さんやおばあちゃんからもらったものならなんでもいいのかというとそうではありません。そこに、「お母さんやおばあちゃんにより大切にされてきた」というストーリーが付随していなければなりません。大切にしてきたものを、同じように大切にしてほしいという思いを込めて次に受け渡す。これが「ものを受け継ぐ」ということで、ものは受け継がれた瞬間にそのものにとっての歴史が発生し、その歴史がそのものの価値を高めているのだと思います。

さて話が少し飛躍するのですが、私はこの「ものを受け継ぐ」ということが将棋の道具でも習慣化できないかなぁと考えています。

子どもたちに将棋道具を受け継ごう
子どもたちに将棋道具を受け継ごう

現在では、百均などでも将棋の盤や駒が売っているのをよく見かけます。確かに将棋始めたばかりで、まだ駒の動き方や将棋のルールも分からない子どもたちにとっては、それで十分こと足りるように思います。しかし、それを「これからも大事に使ってね」となるとさすがに無理があるのではないかなぁと思ったりします。

そこで一つ提案なのですが、これから子どもと一緒に将棋を始めたいと思っているお父さん・お母さん、もう既に子どもと将棋指しているよというお父さん・お母さん、子どものものとは別に自分用のちよっといい将棋道具を持ってみませんか?

そもそも、小さなお子さにとって、ものの価値を理解して大切に扱うということ自体難しいと思うのですが、既に大人であるお父さん・お母さんは別ですよね。子どもたちとは違ってちゃんと「ものを大切にする」という概念を持ち合わせていることかと思います。将棋への思い入れの度合いは人それぞれ違うと思うのですが、例えば駒の場合(盤でもいいのですが)、毎日磨いたり、きっちり数を数えて駒箱にしまったりなどお父さん・お母さんが駒を大切に扱う姿をずっと見ていれば、自然とその駒は子どもたちにとっても大切にしなければならないものになります。

さらに、子どもたちが将棋のルールも覚えて将棋をすっかり好きになった頃に、「お母さん(お父さん)の駒を大切に使ってね」と駒を渡すと、きっと、とても嬉しい気持ちになり、子どもたちはその駒を、特別な宝物のようにずっと大切にすると思います。

大量生産・大量消費の現代社会において、「受け継がれる将棋道具」たちはそれぞれにオリジナルの歴史を持った唯一無二の存在です。きっとパリジェンヌが身に付けているもののごとくキラキラして見えるに違いありません(^ ^)

いつつの将棋教室では、駒磨きなどを通じて、子どもたちに道具を大切にする心を伝えています。

他にもいつつブログでは、将棋・子育てに関する情報を色々紹介しています。ご興味あれば、ぜひご一読ください(^ ^)

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この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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