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元奨励会員が語る奨励会ってこんなところ

みなさん、初めまして。いつつブログをはじめて投稿する荒木隆です。

簡単に自己紹介を致しますと、私は元々、奨励会というところに在籍しており、昨年の9月まで奨励会員でした。今はいつつの社員として日々楽しく働いているわけですが、今の私の本当に簡単な自己紹介を見て、多くの方がきっと、「え、奨励会って何………(゜Д゜)?」と思われたことかと思います。

そこで今回の記事では、謎のヴェールに包まれた「奨励会」について、元奨励会員の私がちょこっとどんなところなのか紹介しようと思います( ´ ▽ ` )ノ

昨年の9月まで奨励会に所属していました。
昨年の9月まで奨励会に所属していました。

奨励会とは?

それではまず、奨励会とはなんぞや?というところから説明したいと思います。

実はそもそも「奨励会」とは略称で、正式には公益社団法人日本将棋連盟付属新進棋士奨励会と言います。う〜ん…長いですね( ;´Д`)長すぎて毎回、言ってられないので、みんな「奨励会」と呼んでいるわけですね。たぶん私も含めて、この正式名称をちゃんと覚えている人は誰もいないのではないでしょうか、笑。

さて、そんなことはさておき、この奨励会が一体何を目的とする組織かというと、将棋のプロ棋士の養成機関です。養成機関というと何だか物々しい響きですが、要するに将棋の専門学校みたいなものですね。

将棋の棋士になるためには、必ず奨励会に入会しなければならず、あの羽生善治さんや、いま話題の藤井聡太さんも奨励会に在籍していたのです。

奨励会に入るには?

それでは、奨励会に入るにはどうすればいいのかというと、毎年8月に開催される奨励会試験を受け、合格しなければなりません。試験は年に一回しかないので、もし不合格の場合、次の8月まで待たなければいけません。いわば受験のようなものですね(>_<) 試験方法は2段階になっており、まず一次試験では受験者同士での対局を6局行い、4勝すれば通過、3敗すると失格になってしまいます。一次試験を勝ち抜くと、今度は二次試験が待っており、ここでは現役の奨励会員を相手に3局指し、1勝でもできれば、ようやく合格となります。 受験者は一日につき3局ずつ、3日間かけて戦うわけですが、「たかが3局されど3局」、年に一回しかチャンスがないのですごくプレッシャーがかかり、想像以上に疲れます。 ちなみに、毎年の受験者は年によっても変わりますが、およそ30~40人、合格するのはおよそ1〜2割です。自分でいうのもなんですが、倍率も決して低くなく、入るだけでもなかなか大変なんです。

奨励会の仕組みは?

さて、奨励会の試験に無事にパスして、晴れて奨励会に入会できたところで、後は悠々自適にプロ棋士の未来へまっしぐらかというと、決してそうではありません。むしろ、入会してからの方が、より一層熾烈を極めた戦いが待ち受けており、大変といえるでしょう。

奨励会では、まず6級からスタートします。月に2回の対局日があり、そこで規定の成績を納めれば昇級(昇段)することができます。6級→5級→4級…..と昇級していき、1級で規定の成績を上げると初段となります(入品 にゅうぼん といいます)。そしてここが一つの折り返し地点といえるでしょう。そこからさらに昇段し、二段→三段と昇段し四段になればプロ棋士になることができます。

ここで、三段から四段への昇段について詳しくお話ししたいと思います。三段から四段への昇段するには、「三段リーグ」と呼ばれる同じ三段同士でのリーグ戦を戦い、上位2名に入る必要があります。「三段リーグ」の参加人数は約30人。半年かけて18回の対局を行います。

「三段リーグ」を勝ち抜かなくてはいけないということ自体が、プロ棋士になる上でとても高いハードルなわけですが、さらに奨励会員にとっての障壁となるのが、年齢制限の存在です。満21歳までに初段。満26歳までに四段へ昇段しなければならず、もしそれが達成できていないとすると、強制的に退会となります。タイムリミットがある中で、良い成績を取らなければいけないわけですね。ちなみに、奨励会へ入会した人が棋士になれる割合は、約1〜2割程度です。つまり、奨励会試験を受け、合格した人の中でプロ棋士になれる人は一、二人しかいない計算になります。こうやって文章にしてみると、改めて競争の厳しい世界であることを実感しますね。

なお、話が少し前後するのですが、奨励会試験を受験するときにも年齢制限があり、原則として15歳以下でなければ試験を受けることができません(ただし、ここでは触れませんが、例外も存在します)。

奨励会の実力は?

さて、ここまでスタートは6級、四段になればプロ棋士になれる、「三段リーグ」は大変などなど、奨励会について色んなことを書いてきましたが、果たしてこれらが具体的にどのくらいの実力を示すものなのか、いまいちピンと来ないかと思います。

もしかすると、6級というと、「なんだ大したことないじゃん」と思われるかもしれないのですが、実は奨励会の6級とはプロの視点から見た6級であり、アマチュアの6級とは全く異なります。アマチュアの段位に換算すると、大体四段くらいです。将棋のアマチュア四段がどれくらいのレべルかというと、甲子園に出場する高校球児くらいのレベルです。

一番下の6級でそれだけ高い技量があるのですから、奨励会の有段者にまでなれば、どれだけ強いかはもう言うまでもないと思います。最も、プロの棋士になればそれ以上に強い人たちが待ち受けている訳ですが……笑

奨励会で得たもの

奨励会で得たものを今後の糧に!
奨励会で得たものを今後の糧に!

最後に、私の奨励会時代のことを振り返ってみようと思います。

私は14歳の頃に6級で入会しました。昇級のペースは決して速くはなかったものの、18歳の頃に初段になり、22歳の頃に三段まで昇段しました。

しかし、ここで私に大きな壁が立ちはだかります。それが前述にもある「三段リーグ」でした。私は22歳のときに三段になったので、26歳の年齢制限までチャンスが8回あったわけですが、上位2名に入ることはできず、結果として奨励会を去ることになりました。

プロ棋士になれなかったことは非常に残念ではあるのですが、自分なりに精一杯、頑張ったので悔いはありません。それに、奨励会に在籍し、将棋に一生懸命打ち込んだことで得たものもたくさんありました(^_^)

それは礼儀作法であったり、目標を達成するために前向きに努力したり、思い通りに行かないときに辛抱や忍耐することだったり、数え上げればキリがありません。

今いつつでは、テキスト作成のサポートをしたり、イベントを通じて子どもたちに将棋の楽しさを伝えるといった活動をしています。また、来月から親子向けの将棋教室の講師を務めることにもなりました。

これからは、長い奨励会生活で培ったものを今後の人生やいつつでの活動に活かしていけるよう、あのときの気持ちを忘れずに、日々を歩んで行きたいと思います( ´ ▽ ` )

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