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3手先を読めるようになるために

少し前に、「はじめての将棋手引帖」を購入してくださった方からこんな質問をいただきました。

娘が将棋に興味を持ち始めたのがきっかけで、手引帖を購入し、毎日楽しく取り組んでいます。少し前から将棋の1手詰めの勉強を始め、正解率も高くなったので、最近3手詰めに進んでみたのですが、よく分かりません。三手詰めの解き方のコツを教えてください。

まず、3手詰めの問題を解くには、3手先を読まなくてはいけません。「3手先を読む」とは、自分→相手→自分と指した時の盤面をイメージすることなのですが、実はこれが意外に難しいのです。

「3手先を読む」のハードル

3手先を読むには、相手の動きも読む必要があります。
3手先を読むには、相手の動きも読む必要があります。

それでは、なぜ「3手先を読む」ことがそんなに難しいのでしょうか?その答えは、相手の動きも読まなくてはいけないからです。

例えば、今回のご相談では、「1手詰はできるのに、3手詰になった瞬間分かりにくくなった」とのことでしたが、1手先の読み方が「飛車を前にすすめたいから飛車をすすめる」とか「王手をかけたいから王手の手をさす」、「駒を取りたいから駒をとる」といった感じだったのに対し、3手先になると、「駒をタダでとりたいけど、相手の駒が守っているな。そしたらその相手の駒をずらすために、この駒を使ってみよう」「両取りをかけたいから、相手の駒をここまで移動させよう」「飛車角を成りたいけど、相手の駒が守っているから、自分の駒の利きを足すために、そうだ銀をつれてこよう」と言った具合になります。

つまり、1手の読みでは「自分がどう指したいか」だけを考えていればよかったのですが、3手の読みになると「自分がどう指したいか」に加えて、「自分の指したい手を指すために、相手の駒にどのように動いてほしいのか」について考えなくてはならなくなり、読みが急に複雑になるわけです。

3手先を読むために

それでは、3手先を読めるようになるには、どのような練習をすればいいのでしょうか?

3手詰の詰将棋

3手先が読めるようになるには、3手詰の詰将棋をたくさん解くことが大切
3手先が読めるようになるには、3手詰の詰将棋をたくさん解くことが大切

3手先の読みができるようになるためには、やはり3手詰の詰将棋をたくさん解くことが有効です。なぜなら、詰将棋には読みの力を磨く上で効果的な要素がたくさん詰まっているからです。

例えば、詰将棋は原則ひとりで先手と後手を引き受けます。そのため、3手詰めのハードルである相手の指し手について考える訓練ができます。また、目的と答えが1つというのも詰将棋のいいところです。詰将棋の目的といえば、もちろん玉を詰ますことなのですが、いざ指そうとした時に「玉を詰むためにはどう指すべきか」と思考の焦点を絞ることができ、その思考がちゃんと正しかったのかどうかの答えあわせをすることもできます。

もしこれが実戦の流れの中だとすると、そもそも81マスある盤面のどこに注目して、何を狙って3手の読みを発動すればいいのか焦点が定まらず、かつ、仮に何かを狙って指したとしても、必ずしも相手が自分の狙い通りに駒を動かすわけではないので、正しく3手先が読めていたのかどうか確かめることができません。同じ「3手先を読む」でもまた一つ難易度が上がってしまうわけです。

今回のご相談では、3手詰の詰将棋に苦戦中ということでしたが、最初のうちは分からなくても問題ありません(^^)

大切なのは、考えて分からなかった時に、答えを見てちゃんと納得することです。最初のうちは、実際に将棋の盤駒を出して並べるといいと思いますが、なるべく、頭の中でイメージできるようにしていきましょう。詰将棋は頭の中で駒を動かす練習にもなります。

手筋を覚えよう

持ち駒の歩を成るにはどうすればいいかな
持ち駒の歩を成るにはどうすればいいかな

先ほど、対局の中で3手先を読むのは3手先の詰将棋を解くよりさらに難しいという話をしましたが、とはいえ、棋力を上げるためには対局の中でも3手先を読む必要があります。

1局の中で3手先の読みが出てくるのは、基本的に駒と駒がぶつかり合う中盤以降です。(序盤では囲いをつくったり敵陣を攻めるための準備をしましたね(^^))。そして、中盤での戦いを上手く進めていく上で必要になるのが手筋です。

将棋でいう手筋とは、駒を上手に使うためのテクニックです。例えば、四段目に歩を打って、次の手番でと金に成ることを狙う垂れ歩、や相手と駒を交換することで、より価値の高い駒を手に入れること狙った駒得など、手筋といわれるものの中には、3手(それ以上)先の読みを含んだものがたくさんあります。

前述で、実戦の中で3手先の読みをするとなると焦点がぼやけてしまうという話をしましたが、手筋をたくさん覚えることで、「玉を詰ます」以外にも「敵陣を突破するには」「自分の駒を成るには」「数の攻めをするには」など、3手先の読みを発動するための糸口を得ることができます。

もちろん手筋も詰将棋と同様で、初めのうちは、なかなか上手く行かないと思うのですが、実戦を繰り返す中で色んな手筋を試しているうちに、「ここはこうすれば上手くいくな」という感覚が身についてくると思います。手筋が上手く機能するようになったなと感じることができれば、それが、3手先の読みができるようになってきた証ということができます。

最善の手が3手読めれば負けない

最善の3手を読めれば簡単に負けない。
最善の3手を読めれば簡単に負けない。

3という数字だけ見ると、「3手先を読むなんて簡単じゃないか!」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、将棋界には昔から、「最善の手が3手読めればよい」という言葉があり、これは、最善の3手(まずは自分の候補手で、局面の最善一手。そして、相手の応手も最善の一手。そこで自分も最善の一手。)を読めれば良し!ということです。将棋は良い手もあれば悪い手もあります。ミスもします。指さないほうが良かった、なんていう手も存在します。そんな中、1手目に「最善の一手」を指すことができ、相手の応手も最善の手を読み、そして3手目も最善手を見つけ出すことができれば、まぁ負けないとしたものです、というわけです。実際は、その最善の一手を見つけるまでに、水面下でまた何手も読むのですが・・。

将棋をはじめてまもない初心者の子どもたちの中のは、今回のご相談と同じように、3手の読みになった瞬間「将棋難しい( ;´Д`)」と感じた子も、きっとたくさんいると思います。しかし、将棋における「読み」の力を磨けば、将棋がもっともっと将棋らしく、そしてもっともっと楽しくなることは間違いありません。今はちょっとだけしんどいかもしれませんが、初心者から初級、そして中級に差し掛かる頃には、3手先の読みも自然と出来てくるようになるので、ぜひめげずにチャレンジしてみてください( ´ ▽ ` )ノ

いつつのオンライショップ神戸のしょうぎ屋さんいつつでは、将棋を無理なく楽しく学べる「はじめての将棋手引帖」シリーズを販売しています(^^)

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