将棋を教える

2016年3月5日

インターネットで将棋を指す子どもへの5つのアドバイス

将棋ソフトやインターネット将棋の環境が充実してきていますね。
人と人とのコミュニケーションツールとしての「将棋」からも学ぶことが多いと思っているので、将棋は対面でやってほしいなとの想いもあるのですが、空いた時間に将棋ができる、
実戦不足などの解消、気軽に将棋ができるという点ではインターネット将棋はとても優れていますね。将棋を始めるきっかけや将棋のトレーニングに上手に取り入れてほしいなあと思います。
今回は、お子さんがインターネットを通じて対局をするとき、親御さんがこんなアドバイスをしてあげると良いんじゃないかという、いつつのアドバイスをご紹介します~。

1. パソコンの前でも挨拶をする

パソコンに向かってあいさつをするのもちょっと変なのですが、人と対局をするように子どもたちに挨拶をすることを伝えてほしいと思います。

将棋は「3つの礼」があることを、子どもたちには教えています。「3つの礼」とは、「お願いします」「負けました」「ありがとうございました」の3つです。パソコンに向かって話すのも変なのですが、せめて「お願いします」だけは声に出すのはどうでしょうか。 webで遊べる将棋ゲームの「ハム将棋」では、対局開始と同時に、キャラクターのハムスターくんがお辞儀をしてくれます。一緒に「お願いします」と言う癖がつくと、本当の対局のときも自然に挨拶ができると思いますよ。

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以前私が入門教室の講師をしていた時に、ゲームアプリで将棋を覚えたママさんとそのお子さんたちが来てくださいました。そのとき私が「3つの礼」のお話をしたところ、「今日は将棋のマナーや伝統文化ということを知ることができて良かったです!」と話してくれました。身近に将棋を楽しむことができるゲームと共に、日本の文化という側面も知ってもらえると奥深さが伝わるかな、と思っています。

2. 「待った」機能は使わない

「待った」とは、「一旦完了した手を指し直すこと」です。公式戦や大会では反則になり、負けになります。将棋ソフトの中には、「待った」機能がついているものもあります。初心者用に、「あ、うっかり」というのを、ちょっと許してあげようという機能です。私も覚えたてのお子さんに将棋指導をするときは、「これだと玉が取られてしまうので、もう少し考えてみようか」とやり直しを指せることもあります。覚えたてのお子様には良いと思うのですが、ある程度将棋のルールを覚えてきたお子さんには、「『待った』はNO!」笑。

「待った」を日常で利用すると、一手一手を深く考えずに指してしまうようになってしまいます。指し手を考え、自分の責任を持って指す、ということは「考える力」を養う上でも、とても重要なことだと思います。

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以前将棋教室に初めて来てくれたお子さんで、悪びれることなく「待った」をする子どもがいました。ネットの「待った機能」を使い続けていたのかも…。相手にも悪いですよね。こういった理由で、ソフトと対局をするときでも「待った」はNO! を心がけましょう。使わないほうが、絶対に強くなります

3. 記録が残ることを目標や力量の測定に活用する

インターネット将棋道場は、対局を重ねていくと、勝敗や点数が数字で残るので、お子さんの上達具合がわかりやすいですし、目標設定もしやすいと思います。ソフトやインターネット対局は、現時点での子どもたちの実力がどのくらいなのか正確に示してくれます。新しい戦法を取り入れた時は、勝ち星に恵まれなかったけど、最近だんだん勝てるようになってきて、得意戦法になってきたかな、とか。今月は◯級を目指す!などのように、目標の設定もしやすいので、モチベーションも上がると思います。

ただ、あまり目の前の数字の上がり下がりに、一喜一憂するのも困りものです。負けても「今回はこの作戦を試すことができた」など、得るものもあります。長いスパンでみることをおすすめします。

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4. 負けを認めることの大事さを伝える

コンピューターやネットでの対局で負けたときに、子どもたちが負けを認めるのは、誰も見ていないため実際の対局よりとても難しいと思います。相手が目の前にいませんからね。

私がインターネットで対局しているときにも、負けそうになった際に、時間を目一杯つかって時間切れまで、とか。チャットでの「ありがとうございました」の挨拶もなしに立ち去さられる、という経験がありました(私も負けてしまったときは、くやしいのですが 笑)。そういう負け方は、真剣に指してくれた相手に失礼ですよね。ネットを介してであっても、対局してくれている相手に対しての感謝の気持ちが大事だと思います。それはコンピューターでも、同じかなと。人ではできるけど、コンピューターだとできない、というのでなはく、いつでも将棋と向き合うときは、礼を尽くという姿勢でありたいなと思います。

電王戦という棋士とコンピューターの対局がありました。コンピューターに負けてしまった棋士も、深々とお辞儀をして投了をしていました。相手が誰であろうと変わらない棋士の姿は感動を呼ぶのではないでしょうか。

話がそれましたが、「負けました」をきちんと認めることは、「どうして負けてしまったのか。この手がいけなかったのかな?」というのを冷静に考えることができるので、そこから学び、次の対局にいかすことができます。このあたりのお話は、「自ら負けを認めることが重要な5つの理由」で詳細に書きましたので、ぜひお読みください。

将棋が子育てに役立ちますよ、というアピールをする上で、私はよく「負けを認める」ということをお伝えしています。将棋は自ら負けを認めるゲーム...

5. 感想戦は将棋盤に向き合う

対局が終わったら、一度インターネットを離れて将棋盤に向き合うこともおすすめです。インターネットを通じて、他の人と対局することができるサイトでは、チャットを利用した「感想戦」機能がついています。大人にとっては良い機能なのですが、ママとしては、子どもにチャットをつかわせるのはちょっと不安もありますよね…。

チャット機能を使わず、一人で対局を振り返ることだけでも、大きな効果があります。「ここはこうしたほうがよかったかな、次はこうしよう」ということを、覚えている範囲で復習しておくことで、一回の対局から学ぶものは何倍にもなるように思います。お子さんだけによる振り返りの時間をとるように伝えてあげると良いでしょう。

将棋ソフトの中には、対局中に棋譜を自動的に残してくれる機能もあります。記録された棋譜を、子どもたちより強い人に見てもらい、アドバイスをもらえると更にいいですね。

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(いつつ特性おしゃれな布盤なども使ってみてください〜!)

インターネット将棋は手軽ですが、インターネット将棋だけでしか将棋を指さないのは、将棋から学べる礼儀作法や異なる年齢の方との楽しい交流などに触れるチャンスがなく、ちょっともったいないと思います。

インターネット将棋を楽しむと同時に、例えば、NHKの将棋番組など実際に将棋を指しているプロをお子さんと一緒に見たり、将棋イベントや将棋教室に行ってみたり、という次のステップを意識しながらでしたら、棋力向上にネット対局が子どもたちにいかされると思います。

そして、お子さんがのめり込みすぎないように親御さんがちゃんと見守ってあげるようにすることも大事ですね。目が悪くなることがやっぱり心配ですものね。空いた時間に気軽にできるコンピューターやネット将棋、でもそれだけではなくリアルな将棋とも関わりあいながら楽しめるといいのかなと思います。

これを読んで、インターネット将棋を将棋入門のきっかけや、トレーニングの一環に取り入れてもらえると嬉しいです。

参考リンク

インターネットで将棋を指すことができるサイト、アプリのご紹介です〜。

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「子どもに将棋を教えるとき、どうしたらいいの?」、「将棋ってどんな良いことがあるの?」など、将棋や日本文化、子育てに関するさまざまな疑問に対して5つ(いつつ)のポイントからお答えしていく「いつつの」シリーズ、好評連載中です。
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この記事の執筆者中倉 彰子

株式会社いつつ代表取締役、女流棋士。女流アマ名人戦連覇後、94年高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。プロとして公式戦を戦うだけでなく、NHK杯将棋トーナメントなどテレビ番組の司会や聞き手、イベント司会などでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、育児と仕事の両立に奮起。2007年日本女子プロ将棋協会設立に参画。事業部長として、地域や子どもたちに長く親しまれるイベント作りを心がけている。子育てエッセーを地方紙7新聞に連載し、近年は将棋と知育・育児を結びつけるような活動を広く展開。2015年10月株式会社いつつを設立、代表取締役に就任。女流二段。法政大学人間環境学部卒。@AKIKOPDG

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