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連載:東京新聞「子育て日記」 2016年6月8日

パパも棋士 -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ

中倉 彰子

時々「子供語録」に登場するパパの職業は、将棋の棋士(中座真七段)。実は私と同業です。

棋士の生活は、対局以外は比較的自由なので、朝夕の保育所の送迎を、パパがする事もあります。

一時期、私の仕事が重なりパパの送迎が続いた時は、いつも普段着で行くので「あまり多すぎると、仕事やってないと思われないかな?」と気にしていました。周りは全く気にしてないと思いますけど(笑)。

子供達も「対局」というのが、両親の大事な仕事というのはなんとなく分かっているようで、「今日はパパ対局だよね。」と言って、帰りが遅くても我慢します。

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自宅には将棋の盤駒や、将棋の本がたくさんあり、子供達も自然に将棋に興味を持つようになります。長女のマイも「名人は森内という人だよね。」と将棋界の事もだんだん知るようになります。今度名人と対局の予定があるパパ。さて、喜びの報告ができるかどうか…。

パパは、北海道稚内市の生まれで、現在42歳。小学6年生で上京し、四年間、内弟子生活をしていた経験があります。その後、プロになるまで一人暮らしをしていたそうです。

将棋界には師弟制度があり、基本的には師匠がいないと、奨励会(棋士養成機関)に入会する事ができません。ただ、 住宅事情等から、今は師匠の家に住み込みで弟子になる人は殆どいないようです。

自分の息子(2歳)が、小学6年生で親元を離れて行ってしまうことを想像すると、寂しいなぁ。と思います。義母には、相当の覚悟があったのに違いありません。

長女のマイは、大のパパっ子。パパの帰りが遅いときは、「パパの枕で寝る。」なんて言っています。私とは言い合いもしょっちゅうですが、パパの言うことは、よく聞きます。

二人の会話は、まるで恋人同士のようで、私はただのお手伝いさん。「あの、お二人さん、ご飯できましたけど~。」(笑)

しかし、先日マイの友達が家に遊びにきたときは、普段と様子が違ったようで、パパには、全く目もくれず、友達と二人で仲良く遊んでいたそうです(当然ですが。)。

「マイが遠くに行ってしまった気がする。」と、ポツリ。子供の成長は嬉しいですが、そこにちょっとだけ寂しい気持ちが混ざるのは、親ならではの事でしょうね。

どんどん親離れをしていく子供に、上手に子離れをしていかないといけませんね。

【子供語録】
○予防接種
マキ「大きくなったらお医者さんになる!」
ママ「えーすごいね。どうして?」
マキ「だって、注射痛いから。」
注射は痛いので、される方ではなく、する方になりたいということらしい…。予防接種、頑張って受けようね、マキちゃん。

○水泳選手?
マキは、水の中に潜るのが大好き。お風呂でもゴーグルをつけてもぐっています。
パパ「マキは、水泳の選手になるか。」
マキ「ずっともぐれるの!?」目をキラキラ。

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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2012年9月28日 朝刊

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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