東京新聞「子育て日記」

2017年7月9日

思春期女子とのバトル

14歳プロ棋士の藤井聡太さんの活躍で、大きな将棋ブームが来ているようです。私も最近はこの「子育て日記」で、聡太さんにあこがれる末っ子シンの話を紹介することが多かったのですが、今回は長女のマイの話をしたいと思います。

母と娘。女どうしだけに反発しあうことも。
母と娘。女どうしだけに反発しあうことも。

マイは小学六年生になり、難しい年頃に入ってきました(本人は思春期と言っています)。以前から、口はけっこう達者な方だったのですが、最近は本当に「ああ言えばこう言う」状態で、私も、ついついカッとなって反応してしまいます。

言い争いのバトルをしているうちに、互いに引っ込みがつかなくなり、この間は、ついにマイがそのまま家を飛び出す事態に。日も暮れ掛け、心配なので私も必死に後を追いかけます。

「来ないでよ!私なんていないほうがいいんでしょ。」グサリ。そんなこと思っているはずないのに・・。

マイは小走りにどんどん進んで行きます。バレーボール部で鍛えているだけあってさすがに足は速い。私がはぁはぁ言いながら後をついて行くと、マイは大きな公園に入って行きました。

昔、マイをベビーカーに乗せてよく散歩した公園です。ふと小さい頃のマイを思い出し、私の目に涙が浮かんできました。

「いないほうがいい」と子どもに言わせてしまう私の育児って、一体なんなんだろう。至らないママでごめんね。

ちょっと疲れたのか、マイがベンチに座りました。私も少し離れたベンチで座ります。互いに目が合い、思わずププッと笑いが。「なんで私達こんな事してるんだろうね」(心の中)。

マイが自分に似ているなぁと思う時があります(負けず嫌いなところとか)。母と娘、女同士でよく分かる部分があるだけに、磁石の+と+のように、相手を弾いてしまうのかもしれません。

次の日「ママ、こんど一緒に原宿に行こう」雑誌で見たお気に入りの洋服屋さん行きたいようです。そうそう、女の子とはこうして一緒にショッピングをしたり、おしゃべりできるところがいいんですよね。マイとのバトルでは、ついつい同じ土俵に立ってしまいますが、もっと大きく構えて、どっしりと受け止めないといけないなぁと反省する今日このごろです。

この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2017年6月23日 朝刊

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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