全国将棋道場巡り

2022年6月20日

真剣勝負の中にも華やかさ、女子将棋大会がeスポーツ施設で開催! 〜マイナビ杯小学生・中学生女子将棋名人戦に行ってきました。


全国津々浦々、女流棋士の中倉彰子(以下彰子)が様々な将棋教室・将棋道場を訪れる「全国将棋道場巡り」。
コロナ禍でなかなか道場巡りができませんが、今回のいつつブログは趣向を変え、5月28日に開催された「マイナビ杯小学生・中学生女子将棋名人戦 九州・沖縄大会※1」の様子をお伝えしようと思います。
会場は福岡にある西日本最大級のeスポーツ総合施設esports Challenger’s Park(略してチャレパ)です。
将棋大会がeスポーツ総合施設で行われるのも初めてとなります。
チャレパでは、将棋のeスポーツタイトル「リアルタイムバトル将棋」も実施しているとのこと。
リアルタイムバトル将棋ってなんだろう?実際に私も体験しましたのでその様子もお伝えします!

福岡にあるeスポーツ総合施設esports Challenger’s Parkが会場です

オンラインとリアル大会を通じてつながる将棋の和

この大会は、LPSA設立当初からある大会で、小学生・中学生の女の子のための大会です。
私が小学生の頃、大会にはよく出場しましたが、周りはほぼ男子。対局が始まるまでの間、話し相手は、妹(中倉宏美女流二段)くらい。こんな大会があったら楽しかっただろうなと思います。

大会当日の朝、少し緊張の面持ちで会場入りする選手の皆さん。しばらくたつと集まって談笑する姿も。
「お友達なのかな?」と聞いてみると「会うのは初めてです!」とのこと。
どういうこと??
なんと会う前に、オンラインで既に将棋を指したり、チャットで会話をしたりと交流をしていたとのことでした。
将棋を続けていく上で、仲間の存在は大きいですよね。
同じ将棋を楽しむ女の子の和を広げて仲間を作るのは励みになりますね。

挨拶をする審判長の島井咲緒里二段

大会審判長の島井咲緒里二段も「私も受験で将棋から離れてしまい、そのまま将棋を続けていくか悩んでいた時、岩根さん(岩根忍女流三段)に「やめたらもったいない」と言われ、続けていくことができました。今日参加の皆さんもこうした大会をきっかけに、ライバルでもあり友人でもある関係を築き、切磋琢磨して楽しく将棋を続けてほしい」と挨拶をしていました。
ちなみに島井さんは、岩根さんのその一言で将棋を猛勉強し、晴れて女流棋士になったとのことでした。

次世代を担う女流棋士の登竜門?!

この大会は、2007 年から始まった小学生女子将棋名人戦、2009年からは中学生の部もスタートしました。

第1回準優勝者は、女流棋士の北村桂香さんです。
他にも、歴代の入賞者(地区予選優勝者)で女流棋士になった方は、
長谷川優貴さん、石本さくらさん、山根ことみさん、中澤沙耶さん、和田あきさん、武富礼衣さん、水町みゆさん、頼本 奈菜さん、川又咲紀さん、野原未蘭さん、礒谷真帆さん、山口仁子梨さん、佐々木海法さんがいらっしゃいます。

今回調べてみて改めて多くの女流棋士がアマチュア時代に入賞している大会なんだなと感慨深いものがありました。

大会形式は、8つの各地区ブロックで予選大会が行われ、小学生1名・中学生1名(関東予選のみ2名)の代表を決定します。
予選大会で負けてしまったら、もう終わり?
いえいえ、オンラインでもう1チャンスあるという形式です。在住地に関係なく参加可能なオンライン予選も行っています。そして代表者10名による全国大会が夏に東京で行われます。

決勝戦はスタジアムで!

今回の会場は、西日本最大級のeスポーツ総合施設esports   Challenger’s Park(略してチャレパ)で行われました。こちらの会場は2021年8月にプレオープンしたばかり。カフェスペースもある、明るくて新しい施設です。

対局を見守る島井女流二段
親睦クラスの進行運営も担当しました

大会の合間に指導対局も行いました。親睦クラスに出場していたお子さんは、駒落ちとアドバイスをしながらの平手と2局ほど。振り飛車と美濃囲いをしっかりと組むことができていました。

指導対局の様子

最後は、会場の目玉である「スタジアム」にて、決勝戦です。

小学生大会決勝と3位決定戦

後ろのモニターで将棋の内容を映してくれたので、観戦者も将棋盤に近づかなくても進行を見ることができます。ちなみにこのモニターで、大会進行中はトーナメント表やリーグ戦の結果をほぼリアルタイムで更新して映し出してくれました。選手も保護者も大会結果は気になるので、このモニターは大変好評でした。結果は、小学生名人戦クラスの優勝は小学5年生の河野真理子さん。中学生名人戦クラスは中学2年生の大澤栞さんとなりました。

小学生の部入賞者の皆さん

お二人とも佐賀からの参加でした。入賞者の皆さん、おめでとうございました。

※他詳しい大会結果は、LPSAのHPにてご確認ください。

今回、宮崎からも参加してくれました。お話を伺うと「車で朝4時半に出発。寝ながらきました、笑」と笑顔で答えてくれました。宮崎から数名で参加してくれたとのことで、大会終了後も、将棋盤を囲んで感想戦をしていました。

対局後も熱心に検討する宮崎から参加の選手の皆さん

私は親睦会クラスを担当していました。空いている時間に小学2年生の女の子と保護者の方にお話を伺うと、お母さんと将棋を初めたのがきっかけだったようですが、既にお母さんより強くなってしまったとのこと。毎日詰将棋を解くのが楽しみなのだとか。来年は名人戦クラスへの出場を待っていますね。

宮崎の名物マンゴー味のチョコレートをもらいました。ありがとう!

今回の大会も閉会式後、代表になれなかった選手の方々から熱心にオンライン大会への参加方法についても聞かれました。終わった後もみんなやる気があります!次もがんばってください。

大会の後はチャレパデビュー!

さて、大会終了後は、人生初のeスポーツに挑戦しました。
ゲーミングチェアに座るのもコントローラーを操作するのも初めてです。

はじめてでもスタッフの方が丁寧に教えてくれます。

こちらのチャレパはプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」のホームスタジアムでもあります。
全国でもプロチーム所属の施設というのは珍しいとのことです。
今年4月から開催されていたWILD RIFT JAPAN CUP 2022で見事優勝!
2年連続で日本一のタイトルを獲得したそうです。
6月シンガポールで開催される世界大会「2022 Wild Rift Icons Global Championship」では日本代表として世界一を目指すとのこと。ワクワクしますね!
練習などでプロ選手が実際に訪れるので、ファンはもちろん、プロを目指す小中学生にも夢を与える大切な場にもなっているとのことで、将棋のプロを目指す小中学生が、将棋会館へ行くのと通じるものがありますね。

eスポーツでは様々なタイトルがあり、将棋を使った「リアルタイムバトル将棋」というものもあります。
現在6名が「リアルタイムバトル将棋」のプロとして認定されています。最年少はなんと中学生とのことです。

ここで、チャレパを運営する㈱QTnetのeスポーツ事業グループ長の小橋勝之さん(以下小橋さん)にお話を伺いしました。

小橋さんも小学生の頃に将棋本を読み込む程、将棋を楽しんでいたようです!

彰子:eスポーツのプロの方の年齢層はどんな感じですか?
小橋さん:10代から20代です。反射神経も必要なので、若いほうが有利ですね。
彰子:それは意外でした。体格や年齢が関係ないのかなと想像したので、幅広い年代層かと思っていました。

彰子:競技人口はどのくらいなのでしょうか?
小橋さん:全世界の競技人口が1億人以上と言われています。日本では発展途上ですが、海外に目を向けると、かなり高い賞金の大会なども多く開催されています。
彰子:オリンピック競技になることも検討されているとか。
小橋さん:そうなれば注目されますし、競技人口も今後かなり増えるのではないでしょうか。

彰子:今までぜんぜんeスポーツをやったことがない方はまずはどうすればいいでしょうか?
小橋さん:まずはチャレパにきてください。スタッフがサポートする体験会を行っております。
彰子:ありがとうございました!カフェもあるし、気軽に遊びに行けるスポットなのですね。

会場は、九州電力グループの通信事業会社「QTnet(キューティーネット)」の光回線が使われています。高速インターネット環境やゲームに特化したハイスペックなPCなど、eスポーツを最大限に楽しむための環境が整っているのですね。

株式会社QTnet ゆるキャラのコネクトくん。
コネクトくんのオリジナルタオルと将棋消しゴムが大会参加賞としてプレゼントされました
大会入賞者の副賞にはコネクトくんがプレゼントされました。耳からWi-Fiが出ているとか!?(笑)

eスポーツに挑戦!

さて、初めてゲーミングチェアに座り、簡単に説明を受けます。

ルールは、交互に指すのではなく、自分の駒を勢いよくどんどんと動かしていきます。一度動かすと駒の横に数字が表示されます。3と表示されると3秒間動かせません。駒によってその秒数が違います。相手の玉を取ると勝ちですが、時間内にお互い相手の玉が取れなかった場合は対局終了。駒ごとに設定されている得点での勝負となります。王様だけを狙うのではなく、いかに効率よく自分の駒を動かし、相手の駒を取るか、という勝負です。

すぐに駒を動かそうと思っても思うようにコントローラーを扱えないのでなんとももどかしいです、笑。

ここで、スタッフの方が、プロの対戦の模様をモニターで見せてくれました。

駒を動かす操作が速い速い!さすが、プロは違いますね・・。プロの動かし方を一度見ただけで、強くなれるのものではないことは、将棋でも同じ・・ですが、

なんとなく実力アップした気分になるのは不思議です。

その後、島井さんと対戦。気持ちだけはeスポーツプレーヤーです!

「わー!」「あれ?あれ!?」と叫びながら進行するも、結果はあえなく敗退・・。

確かに反射神経が必要なのも感じることができました。

eスポーツに熱中した後はコーヒーやスイーツでリラックス♪ チャレパにはカフェコーナーがあります。

おしゃれなカフェスポット

ゲームをする場所、「ゲーセン(ゲームセンター)」というと暗いイメージがありましたが、チャレパを訪れてみて、eスポーツのイメージが変わりました。

いつの日か、世界に羽ばたくeスポーツトッププレーヤーと、今回「マイナビ杯小学生・中学生女子将棋名人戦の九州・沖縄大会予選」から女流棋士・プロ棋士がここから生まれると思うと、本当に楽しみです。

最後に、エントランスのサインボードにサインを書かせていただきました。

ありがとうございました。

※1マイナビ杯第16回小学生・第14回中学生女子将棋名人戦 九州・沖縄大会

主催:公益社団法人日本女子プロ将棋協会

協賛:株式会社マイナビ 株式会社マイナビ出版 株式会社QTnet

後援:西日本新聞

協力:esports Challenger’s Park

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名称esports Challenger’s Park
場所〒810-0004
福岡県福岡市中央区渡辺通4-9-25
天神ロフトビル8F
営業時間

営業時間/11:00~22:00
店休日/不定休(年末年始12/30-1/2は休業)
電話番号/092-985-2201

この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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