株式会社いつつ

子育て 2017年3月16日

子どもたちが和の習い事をすると身につけられること

金本 奈絵

3月が早くも半ばに差しかかり、もうすぐ4月が訪れますが、子どもたちにとって4月とは新学年の始まりであり、新しい先生や友達との出会いがあり、ガラッと環境が変わる季節です。それゆえに、4月ほど子どもたちが何か新しいことを初めるのに適した季節はないですよね。

さて、子どもたちが新しい事を始めるきっかけには、習い事が1番いいのではないかと思います。そして、習い事といえば、塾にピアノに水泳などメジャーどころがたくさんあるかと思うのですが、「日本伝統文化を子どもたちのすぐそばに」をモットーに活動を行ういつつとしては、やはり「和」の習い事をオススメしたいと思います。

和の習い事といえば、昔だと習字や算盤といったものが定番だったのですが、今だと日本舞踊や和太鼓、茶道に華道など子どもたちが習い事として体験できるものの幅もだいぶ広がっています。もちろん、我らが将棋も習い事として今ちょっとしたブームになっているみたいです (^ ^)

そこで、今回のいつつブログでは和の習い事を通じて、子どもたちが身につけることができるものをいくつか紹介したいと思います。3月は4月のための準備期間。新しいスタートとともに子どもたちの世界をグンと広げられるような習い事が見つかるといいですね ( ´ ▽ ` )ノ

1集中力

子どもたちの言葉が少なくなるのは集中している証
子どもたちの言葉が少なくなるのは集中している証

将棋をはじめ、習字などもそうですが、和の習い事の特徴の1つに「言葉が少ない」ということが挙げられます。「言葉が少ない」という言い方をすると子どもたちにとって少し不健康なイメージを与えるかもしれませんが、決して「言葉が少ない」イコール「コミュニケーションをとっていない」という訳ではありません。子どもたちにとっては、集中しているがゆえに、言葉が少なくなっているだけなのです。

例えば、将棋の場合だと盤上の駒と、習字の場合だと墨と上手く対話をしないと、対局で勝てなかったり、美しい字が書けなかったりしますよね。つまり、日本伝統文化の場合、先生や同じ教室に通う子どもたちといった「人」以外にも、「モノ」とのコミュニケーションをとる必要があり、そして「モノ」と会話をしようと思うと、相当な集中力が必要となり自然と言葉が少なくなるものなのです。一見ただ黙って黙々とこなしているように見える動作の中にも、「今日はどんな調子かなぁ?」とか「君がこうくるなら、僕はこうだよ」といった会話が繰り広げられているわけですね。

もし子どもたちが習い事中に言葉が少なくなってきたら、それは「大人しくなった」や「人とコミュニケーションをとらなくなった」のではなく、習っているものごとの腕と同時に、集中力が向上していることの証なのです。

2礼儀作法

伝統文化の一環として礼儀作法を身につけられます。
伝統文化の一環として礼儀作法を身につけられます。

礼儀作法については、家や学校でも子どもたちに教えるには教えるのですが、どうしても生活指導やしつけといった無理強いの方向になりがちですよね(^_^;)パパやママ自身にも記憶があると思うのですが、いやいや覚えたことというのはなかなか身につきません。

そこで、礼儀作法を習い事の中で覚えるというのも1つの手だと思います。

例えば将棋には「3つの礼」と呼ばれる挨拶があります。「3つの礼」とは、対局前の「お願いします」、負けた時の「負けました」、対局後の「ありがとうございました」を指すのですが、将棋教室では、これらを礼儀作法として子どもたちに押し付けるのではなく、あくまでも将棋の流れの一環として子どもたちにやってもらいます。つまり、子どもたちにとって礼儀作法は、いやいややらされるしつけではなく、将棋の一部として受け止めてもらえるわけです。

将棋に限らず、日本伝統文化には、礼に始まり礼に終わるものがたくさんあります。始める時の「お願いします」や終わった時の「ありがとうございました」は、よく考えると、人として当たり前で基本的なことではあるのですが、意外に大人になってもこれをきちんとできる人は少なく、逆にちゃんとできていると「素敵な人だなぁ」という印象になりますよね。

素敵な大人になるためにも、子どものうちから和の習い事を通じて礼儀作法を自然に身につけてみませんか?

3美しい所作・ふるまい

日本伝統文化の所作は和服を着ていた時代の名残。こちらも、型ができているので習い事の過程で身につけることができます。
日本伝統文化の所作は和服を着ていた時代の名残。こちらも、型ができているので習い事の過程で身につけることができます。

サッカーや野球などの大きな身体の動きを「動」と表現するならば、将棋をはじめとした日本の伝統文化の制限された動きは「静」と表すことができます。そして、「静」と「動」とを比較したとき、動きが少ない分「静」の方が華がなかったり、楽なのかというと、全くもってそんなことはありません。

例えば将棋のプロ棋士が盤上の駒をピシッと指す姿はとても凛々しく、日本舞踊の舞なども雅であると同時に洗練した美しさがあります。そして、なぜ「静」の動きが美しく見えるのかというと、それは、頭から指先まで神経が行き届いているためであり、この動きは決して楽ではありません。

日本伝統文化で、このような洗練された「静」の動きが定着しているのは、もともと日本人が和服を着ていたことに由来します。和服を着た経験がある人であれば分かると思うのですが、和服のまま一糸乱れず過ごそうと思うと、それはとても緊張感と根気が必要ですよね。

和の習い事で、常に着物を着ているかというとそうではありませんが、2の礼儀作法と同じように、和の習いごとでは、和服を着た状態の所作・振る舞いというものが形として定着しています。そのため、文化そのものを学んでいれば、和服を着ずとも緊張感のある美しい身のこなしが自然と身につきます。

4国際人としてのアイデンティティ

特技の一つとして和の文化を習得していれば、海外でのコミュニティーに便利
特技の一つとして和の文化を習得していれば、海外でのコミュニティーに便利

グローバル化がますます活発になる昨今、子どもたちが世界に羽ばたく可能性は多いにあると思います。そんな時に、日本人としての日本の伝統文化を特技の一つとして持っていると、きっと一目置かれる存在になるはずです (^ ^)

例えば、将棋であれば世界中にルーツを同じくするボードゲーム(中国のシャンチーや西洋のチェスなど)があるので、将棋を知っていることで言葉が通じなくてもなんとなくコミュニケーションが取れることがあったり、茶道も西洋のアフタヌーンティーの文化と比較したりしながら楽しめますよね。

また、2の礼儀作法や3でやった所作ふるまいも日本人のアイデンティティとして高く評価される要素の1つです。

自分自身が日本にいると、日本伝統文化の習い事は、礼儀作法に厳しかったり、決まりやしきたりが多かったり、他の習い事と比較して個人の自由が制限され、ちょっぴり堅苦しいイメージがあるのではないかと思いますし、そのため、子どもの個性が抑圧されてしまうのではないかと心配される親ごさんも少なくないのではないのでしょうか。

しかしながら、日本独特のこうした規律ある行動や習慣は、一たび海を渡ると、「抑圧された自由」どころか、「洗練れた日本人の個性」として熱いまなざしを向けられることと思います。

5豊かな感性

四季や自然素材に触れて感性豊かに
四季や自然素材に触れて感性豊かに

春夏秋冬。日本の四季はとても美しいですよね。そのため、季節にあった花を生けたり、掛け軸を飾ったりと、多くの日本伝統文化では、「四季の変化を楽しむ」ということが取り入れられています。

また、将棋の木の駒や、土でできた茶道の茶碗、植物が原材料の書道の和紙など、日本の伝統文化には道具に自然素材を使用したものがたくさんあります。
もちろんわざとして習っている文化を極めるということも大切なのですが、子どもたちが四季や自然と触れ合っているという感覚も大切にしてもらえると良いなと思います。

和の習い事を通じて子どもたちが体得するものの中には、「豊かな感性」も含まれます。

さて、今回は和の習い事について色々書いてみましたがいかがでしたしょうか。
おそらく、想像していた以上に子どもたちにとって楽しさと驚きあふれる未来が待っていそうな予感がしませんか?

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この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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