将棋を学ぶ 2025年5月21日
対面形式とオンライン形式の将棋教室、それぞれの特徴
新緑が目に鮮やかな季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今月は『対面形式とオンライン形式の将棋教室、それぞれの特徴』についてお話しします。
「え!将棋教室にもオンラインがあるの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの流行をきっかけに、また、居住地に縛られないなどの自由度の高さから、塾や習い事のオンライン化が加速したことはご存知かと思います。
いつつ将棋教室でも、居住地の問題で将棋を習いたい・習わせたいのに叶わない…といった問題を解消するためにオンライン授業を導入しております。
ただ、オンライン授業については「オンラインよりも対面の方が上達しやすいのではないか?」といった懸念の声もあると存じております。
そこで本ブログでは、「オンラインと対面それぞれにどんな特徴があるのか?」や「実際のところどうなんだ?」といった内容をご説明し、少しでもオンラインに対する懸念を払拭できればと思っております。
両者の主な特徴は下記の表の通りです。詳しくは表の下でご説明します。
項目 | 対面 | オンライン |
授業時間 | 基本的に1時間以上でやや長め ・はじめての将棋教室(1時間) ・のびのびコース(90分〜2時間) ・専門コース(90分) | 対面の半分程度 ・はじめての将棋教室(40分) ・のびのびコース(50分) ・専門コース(40分) |
内容 | ・はじめての将棋手引帖やプリントを使用し、手筋や駒の上手な使い方や定跡等を講義 ・指導対局や生徒同士の対局 ・いつつの詰将棋本を使用し練習 | ・はじめての将棋手引帖を使用し、手筋や駒の上手な使い方や定跡等を講義 ・宿題の提供 ・いつつの詰将棋本を使用し練習 |
頻度 | 基本は月4回(月2回もあり) | 基本は月2回 |
受講場所 | いつつ教室(東京府中校)のみ | オンライン環境があればどこでも受講可能 |
交友 | 対局や交流を通じて、生徒さん同士の繋がりが生まれやすく、自然な形で友達づくりができる環境 | 基本的に生徒さん同士の繋がりはなく、先生を介したコミュニケーションがメイン |
コスト | ・はじめての将棋教室、のびのびコースは月4回で8000円(のびのびコースのみ月2回で5000円、単発で3000円のコースを選択いただくことが可能です。) ・専門コースは月4回で9000円 | 対面よりも少し低めの料金設定 ・どのコースも月2回で3500円 ・専門コースは月4回で6500円 ・級認定や実戦を積みたい方向けにオプションとしてオンライン指導対局(1回2200円)もご用意 |
保護者様の見学 | 不可 教室での様子などは連絡帳でお伝えしています | 可 |
まず、授業内容についてですが、対面授業にはお子さん同士の対局や講師との指導対局が含まれているので、実戦の機会が豊富です。一方でオンライン授業には、そうした対局は含まれておりません。オンラインでの受講でも、講師との指導対局(オプション)をご用意しております。級の認定を受けたい方や、個別に指導をご希望の方は、ぜひご検討ください。

次に授業時間について、1回の授業で学ぶ知識や学習進度は同じなのですが、先に述べたように、オンラインではお子さん同士の対局や指導対局がないため、授業時間が半分程度となっております。
授業頻度は、対面授業は月4回、オンラインは月2回と授業頻度が2倍異なるため、対面では約2倍のスピードで学ぶことになります。
一方でオンラインは、授業頻度が違う分、対面に比べて成長速度が緩やかになると思います。ですが、レッスン以外に詰将棋を解いたり対局をしたりするお子さんだと、早く上達します。
上達の度合いはお子さん次第で、オンライン形式だからといって対面形式より強くなりにくいということは決してありませんのでご安心ください。
実際にオンライン講座の実績例として、ドイツのオンライン受講生が国際大会で準優勝したケースや、国内の受講生が地方大会で入賞したケースもあります。
受講場所については、対面が東京府中校の教室のみとなっていますが、オンラインでは基本どこでも受講いただけます。実際、海外や移動中などで参加しているお子さんもいらっしゃいます。
一方で対面授業の場合、遠方にお住まいの方は、教室への送迎をいただく必要があるかと思います。
このように、授業回数が少なく、受講方法の自由度が高いので、既に習い事などで忙しいお子さんには、特にオンライン授業はおすすめです。
生徒さんの交友については、対面だと生徒さん同士の会話が可能なため、友達を作りやすいと思います。実際、友達同士で競ったり、負けて泣いている子を慰めたり、一緒に帰ったりしている様子をよく見かけます。
初対面の生徒さん同士でも、対局をきっかけにすぐに打ち解け、会話が弾む様子はよく見られます。
一方で、オンラインだと生徒さん同士の会話はあまりなく、講師を介しての会話がほとんどです。ただ、生徒さん同士は無関心というわけではなく、私が大会やイベントでオンライン講座の生徒さんとお話しした際に他の生徒さんの名前が出るなど、良きライバルとして意識している側面もあるようです。
コストについては、対面よりもオンラインの方が時間が短いことや実戦機会が少ないため、ご利用いただきやすい価格でご案内しています。
保護者様の見学について、初めてお子さんに習い事をさせる保護者様の中には、「ちゃんと授業を受けられているかな」と不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。
対面授業の場合、初回授業や体験会以外では、教室内での様子を直接ご確認いただくことは難しいのですが、教室の「連絡帳」制度にて、お子さんの学習の様子や成績、指導対局の講師からのコメントなどをお伝えしておりますので、ご安心ください。
一方、オンライン授業では、音声のオン・オフなどの操作を保護者様にサポートしていただく際に、そばでご様子を見ていただくことが可能です。保護者様の質問には答えることはできませんが、興味があれば一緒にご受講いただくことも可能です。

このようにオンラインと対面にはそれぞれの特徴があります。
特にオンラインは、受講の自由度が高い反面、将棋の上達スピードに不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。いつつ教室では、公式LINEを活用し、自主練のご希望があれば、教材紹介などを行っております。
また、オンラインの場合は、保護者様に「将棋に集中できる環境づくり」のサポートをお願いしております。具体的には、
①Google Meetを画面オンに設定する
②下のお子さんが幼い場合は距離を離すなど、できるだけ落ち着く静かな環境を作る
③大会への参加申込など実戦を経験できる環境を作る
の3つです。
①は、画面オンにすることで常に緊張感を持って受講していただくためにお願いしております。②は、途中で受講をやめてしまったり、集中していなかったりして、授業についていけなくなってしまうことを防ぐためです。③は、教室で習ったことを実戦で活かせたり、大会で勝てたりすると、お子様の自信につながり、モチベーションの維持・向上にも大きく役立つからです。そのためには、オンラインでもリアルでも、実際に将棋を指す機会を持てる環境を、お子さんにぜひ整えてあげてほしいです。たとえば、将棋道場へ連れていく、近くで開催される将棋大会に申し込む、あるいは「81道場」や「将棋ウォーズ」などのオンライン対局サイトを利用する方法もあります。オンライン大会への参加もおすすめです。
このようにお願いすることもございますが、オンラインは送迎の必要がないため、保護者様にとっては「下の子が小さくて手が離せない…」といった時でも習い事をさせられる、などといったメリットもあります。
最後に繰り返しとなりますが、オンライン授業を受けたとしても、授業以外の自主練などによっては対面授業を受講している人よりも早く上達することが可能です。いつつは、授業以外の自主練に関してのアドバイスやオプションも充実しているので、ご安心ください。
もしこのブログが、オンライン授業に少し不安をお持ちだった方に、「オンライン授業って思ったより良さそう」と感じていただけるきっかけになれば幸いです。
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