将棋を学ぶ

2016年6月13日

人に自慢したくなる!将棋道具にまつわる5つの雑学〜盤駒編〜

株式会社いつつでは、たくさんの子どもたちに夢を与えようと、先日名人戦で実際に使用された盤駒を購入したわけですが、それに関連して盤駒を製作する職人さんの話を聞いているうちに、「もっと将棋道具について詳しく知りたい!」という衝動にかられました。

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そこで、将棋に関連する書籍や雑誌を読み漁ったところ、出るわ出るわおもしろエピソードの数々(ちなみに、ここでいう『おもしろ』は『笑える』といった意味合いではなく『興味深い』という意味です(^ ^))。

このおもしろい話を私の胸のうちだけに留めておくのはもったいない、というより「誰かにこのおもしろい話を聞いてほしい!」ということで、今回のいつつのシリーズでは、個人的に「へぇ〜〜(´Д` )」となった将棋道具にまつわるおもしろ雑学を5つ紹介したいと思います。

1. 盤裏のへその別名は「血だまり」

真ん中の部分は別名血だまりと呼ばれる。
真ん中の部分は別名血だまりと呼ばれる。

「へそ」とは、盤の裏の真ん中にある、四角い逆ピラミッド型に掘られた部分です。へそが掘られる理由は大きく分けて2つあり、まず木の狂いを矯正すること、そしてもう1つが駒音を響かせるための音響効果です。実際に弊社で購入した盤駒で指してみると、駒を指す「ピシャッ」という音が他のものより高音質な気がします。(気のせいですかね(^_^;))

それにしても別名「血だまり」は怖すぎです。

ではなぜ将棋盤のへそが「血だまり」なんでしょうか。その由来を調べてみると、そのエピソードもまた、おっかないです。

なんでも、その昔、対局に第三者が口を出すと、首を切り落とされ、ひっくり返した盤を台にして首をそこにさらされるという戒めがあったそうです。

首を切り落とすというのはさすがにやり過ぎですが、それだけ対局中の二人は真剣に盤の上で繰り広げられる戦いに打ち込んでいるということなんでしょうか。

2.盤の脚のクチナシの形は「口無し」から来ている

盤の脚はクチナシの花がモチーフになっている。
盤の脚はクチナシの花がモチーフになっている。

以前にいつつブログで、名人戦盤の製作者、故・鬼頭淳夫さんの兄で丸八基盤店の店主でもある鬼頭徳治郎さんの紹介したことがあります。そこで徳治郎さんが話していたのですが、今このクチナシ型の盤の脚を作れる職人はほとんどいないようです。

名人戦の盤駒は匠の一品先日いつつブログで、弊社が第74期名人戦第3局で使用された盤駒を購入したことをご報告させていただきました。名人戦で使...

これまであんまり意識して見てこなかったのですが改めて盤の脚を見てみると、他の将棋用品のパーツに比べて、複雑な意匠になってますよね。確かにこれを手作業でつくるにはかなりの技術が必要そうです。

これまで私は、将棋が日本の伝統文化であるから、将棋盤の脚は日本の花であるクチナシがモチーフになっているのだと思っていたのですが、よくよく調べてみると、もっと深い理由がありました。

1.の内容と少し、いやだいぶ被るのですが、これも「対局中の口出しは無し」というところから来ているみたいです。口出しは無し、口出し無し、口無し、クチナシといった感じですかね。「ダジャレかい!」と思わず突っ込みたくなるのは関西人の私だけでしょうか?

あの美しい意匠に、こんな茶目っ気たっぷりな裏話が隠れているなんてまさにトリビアです。

3.将棋盤のマス目は正方形ではない

将棋盤のマス目は駒に合わせて長方形。
将棋盤のマス目は駒に合わせて長方形。

将棋の駒を見てみると、明らかに正五角形ではないですよね、少し縦に長くなっています。従って、盤のマス目も少し縦長になっています。
よくよく考えてみると、将棋の棋譜では「2二金」とか「5六歩」など縦軸を数字、横軸を漢数字で表記しますよね。

おそらくですが、将棋は縦と横の概念がとても重要なゲームなのではないかと思います。なので、たまたま駒が縦長だったから盤のマス目も縦長になったという訳ではなく、駒の縦長は必然であり、従ってマス目の縦長も必然なんだと思います。

そう考えると、間違っても縦と横を逆にして盤を使うなんてことがあってはダメですよね。少し厳しいくらいのルールがあるからこそ、将棋は気高い日本伝統文化なんだと思います。

4.将棋の駒には理想的な顔がある

いい駒は20枚並べるときれいな円に。
いい駒は20枚並べるときれいな円に。

人間の顔にも黄金比率と呼ばれるものがあるように、将棋の駒にも黄金比率が存在します。

将棋の駒の黄金比率は、五角形のそれぞれの角の角度です。

盤の上に将棋の駒を正しく並べたときに、頂点にあたる部分の角度が144度、頂点を挟む2つの角が117度、そして、底辺を挟む2つの角が81度になるのが理想的だそうです。

「え、細かすぎません?」って思うかもしれませんが、ここにもやっぱりちゃんとした理由があります。

実は忠実にこの角度どおりに作られた駒は、20枚をぐるりと並べると、ぴったり円の形になります。しかも、どんな将棋の駒でも並べれば綺麗な円ができるという訳ではなく、いい駒ほど綺麗な円になるようです。

実際に名人戦で使用された駒を並べてみると、見事なまでにピシッと並びますよね。

そんなに大きくない将棋の駒で、1度単位まで角度を正確に合わせる日本の職人の技術力、「恐るべし!」です。

5.高級な駒に使用される素材は、他の商品にするときまず捨てられる

高級な駒の素材となる木は、他の商品だと捨てられる部分
高級な駒の素材となる木は、他の商品だと捨てられる部分

将棋の駒の素材で高級なものといえば、第1にツゲの木が挙げられますが、ツゲの中でも特に高級な駒に用いられるのは、根っこの部分です。

この根っこというのは、ゴツゴツとしてウロ(樹木の幹にぽっかり空いた穴)もあるため、はんこや櫛を製作するときには、まず捨てられてしまうそうです。しかし、将棋の駒の場合、虎斑(虎に似た縞模様)やくじゃく杢(くじゃくの羽に似た放射線状の模様)など複雑な模様の方がめったに取れない高級品とされるため、この根っこが重宝されるわけです。同じ理由で枝別れの部分も高級な駒の素材になるようです。

根っこや枝別れ部分って加工もしにくそうだし、木目の乱れているものよりも、真っ直ぐ整ったものの方がいい素材のような気がしますよね。それをあえて複雑な模様の木に価値を見出すあたり、かなり通だと思います。

さて、今回は将棋の盤駒にまつわる雑学をいつつ紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。皆さんも明日誰かに話したくなりましたか??

こんなに面白いエピソードが満載の将棋は、実際にやってみてもきっと面白いと思います。ぜひまだ将棋をやったことのない方、「駒を指すときのこのいい音は、この盤の裏にある血だまりのお陰だ」とか「この駒の頂点はちゃんと144度だろうか」とか思いながら、一度将棋を指してみてはいかがでしょうか(^ ^)

参考:新ひみつシリーズ「将棋のひみつ」(学研マンガ)

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この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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