株式会社いつつ

子育て 2016年8月18日

日本伝統芸能を子どもと楽しむ〜落語の寄席に行ってきました〜

尾崎 久恵

長い長いと思っていた夏休みも、もう残りあと少し。みなさんはどんな夏をお過ごしですか?

突然ですが…、我が家の今年の夏休みのテーマは「普段体験できないことを体験する!」にしていました。「キャンプでテントで寝てみよう」とか、「イルカと泳いでみよう」とか、「阿波踊りに参加しよう」とか、いろんな体験を企画していたのですが、そんな中、やっぱり日本文化体験も外せない!ということで、先日、落語の寄席に初挑戦してきました。日本伝統芸能の中でも、比較的に子どもでも楽しめそうかな…と思ったからです。

初体験にもかかわらず…ですが、参加したのは、子ども向けの落語会ではなく、大阪の天満天神繁昌亭で行われている、通常の落語寄席です。子どもと一緒でも行きやすい時間帯に開いている「昼席」にしてみました。「昼席」ですと、10名の噺家さんが順番に登場するので、もし難しかったりして、退屈してしまう内容が含まれていても、10のネタのうち、いくつかは楽しめるかな…という思惑もあってのことです。

では、実際に落語を聞いてみてどうだったのか?楽しめたのか?まとめてみたいと思います。落語が知育に良いのかも検証してみました。

日本伝統文化が子育てに良い理由については、こちらをどうぞ。

天満天神繁昌亭看板
天満天神繁昌亭看板

1.雰囲気が楽しい

子供達にとって、今回聞いた落語は、ほぼ全てのオチがわからなかったと思います。他の噺であれば、わかるオチもあったのかもしれませんが、オチって、文化だったり歴史だったり、社会通念だったりという、大きな意味での「日本人の大人が持っているであろうバックグラウンド」が無いと、理解できないものであることが多いと思います。大人しか笑えないオチ(まっ昼間の笑いにはあまり相応しく無い系…)までありますし。

でも、とっても楽しんでいました。なんていったって、たくさんの大人達が爆笑しまくっている環境は、たまらく楽しいものなんだと思います。ライブで多くの人と同じ空間を共有しているからこその場の雰囲気なんでしょうね。

熱演に引き込まれる

初挑戦の子供達にとって、何役も一人で演じていることに気づくまで、一瞬とまどったようですが、1人目の噺(前座)が終わらないうちに、すっかり慣れたようです。右を向いたり左を向いたり、声色や表情や身振り手振りで、何人もの人を演じてしまう。噺家さんってすごいですね。とにかくその迫力というか熱のこもった噺っぷりに、どんどん引き込まれていったようです。特に小1の娘にとっては、超濃いキャラクターの面白いモノマネを見る面白さに近い感覚だったかもしれませんね。

天満天神繁昌亭
天満天神繁昌亭

時代と設定のバリエーションが豊富

現代の新作落語、江戸時代からのいわゆる古典落語、時代も設定も本当に様々なものが、順々に繰り広げられることの面白さはあると思います。子供達に聞いてみると、江戸の話し言葉や登場人物(ご隠居、旦那、番頭など)が難しかったとのこと。一文とか一両とかお金の単位も違うし、わからないことは多かったでしょうね。そんな時はコソコソと解説を入れてあげたり、筋はわかるだろうという時には、そのまま聞かせて、後で説明したりしました。難しかったとはいえ、相当笑って楽しんでいました。ちょっとした非現実感というか、言葉の言い回しが、新鮮に感じたようです。

落語以外も楽しめる

今回参加した昼席ですが、10組の演目のうち、色物と言われる落語以外の演芸も2つ入っていました。三味線で歌ったり、曲芸をしたり、分かりやすさ100%です。時によっては、漫談や浪曲なんかもあるようで、バリエーションは豊富です。子供達は、特に曲芸の凄さに、大喜びし、釘付けになっていましたよ。

落語楽しみました
落語楽しみました

知育にもおすすめです

落語は、その世界を頭の中に思い描いて楽しむものです。噺家さんの言葉や身振り手振りから、そこに広がる世界を五感につながる想像力を駆使して作り上げてこそ、豊かな世界を感じることができます。音、味、匂いまで、勝手に想像するのです。これ、想像力を豊かにすることにつながると思いませんか?テレビなどの映像や演劇などは、視覚からの情報が多くを占める一方で、落語は着物をきた噺家さんが、まさしく老若男女をすべて演じ分けるのですから、楽しめるかは、想像力勝負ですね。隣の人が感じている世界観と違うかもしれないというのも、素敵なことだと思います。そういう自由勝手に想像する余白がある芸能だからこそ、子供に最適なんじゃないかなと思いました。

みなさんも、ぜひ一度、お子さんと落語の寄席に行ってみてくださいね。親子ともども、たくさん笑えて素敵な時が過ごせますよ。

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この記事の執筆者尾崎 久恵

株式会社いつつ取締役、株式会社ホジョセンアナリスト兼 共創デザイナー。P&Gにて東海エリアを中心にコンサルティング営業、立命館大学での産官学連携事業の企画、マネジメント等を経て現職。2児の母親でもあり、時短勤務を導入することによってワークライフバランスを実践している。同志社大学文学部卒。

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