株式会社いつつ

将棋を楽しむ 2016年6月21日

3月のライオンだけじゃない!オススメの将棋漫画5つ

金本 奈絵

今年の秋にはアニメ、来年には実写映画化。今や「飛ぶ鳥を落とす勢い」といっても過言ではないのが漫画「3月のライオン」(白泉社)です。

私もそうなんですが、この漫画をきっかけに「将棋ってなんかおもしろそう」とか「プロの棋士ってかっこいい」と将棋に興味を持ち始めた方は少なくないと思います。

「せっかく将棋に興味を持ってくれたのならば、そのままもっと将棋を好きになってもらいたい!なんだったら、そのまま将棋を始めてもらいたい!!」

この思いから今回のいつつブログでは、将棋について少し興味を持ち始めた人たちが、「とにかく、将棋やってみよう」となるまでの橋渡しとして、「3月のライオン」以外のオススメ将棋漫画を五つ紹介しようと思います。

このブログを読んで、そしてこのブログで紹介した漫画を読んで、将棋の魅力にどっぷりハマってもらえる人が増えると嬉しいな♪なんて思ってます(^ ^)

1. 「天才・羽生が恐れた男 聖」(小学館)

故・村山聖九段の生き様が描かれます。
故・村山聖九段の生き様が描かれます。

村山聖九段。将棋を指すものであれば、プロアマを問わずこの名前を知らないものはいないでしょう。

腎臓の病により29歳という若さでこの世を去った伝説の棋士は、「東の羽生、西の村山」と呼ばれ、史上初の7冠を達成したあの羽生善治さんとも将棋の実力において肩を並べていたと言われています。

村山九段がモデルとなった実写映画「聖の青春」が松山ケンイチさん主演で今秋公開予定だったり、彼のドラマチックな生き様が今脚光を浴びているようです。

今回紹介する「天才・羽生が恐れた男 聖」(小学館)では、主に村山九段の将棋の戦い、そして病との闘いの二つの「たたかい」について描写されています。

いま、私は二つの「たたかい」と分けて書きましたが、この作品を読むと村山九段にとっては、どちらの「たたかい」も一緒だったように思います。

作中の対局シーンで、よく村山九段が追い込まれた時に「生きる道を見つける」という表現が見られるのですが、村山九段が繰り出す1手1手はまさに命を削るようで、将棋の対局相手と同時に、「死」というものにも立ち向かい、戦いを挑んでいるようでした。

2. 「ひらけ駒!」(講談社)

菊池母のようにママもママなりに将棋を楽しんでみよう。
菊池母のようにママもママなりに将棋を楽しんでみよう。

こちらは将棋に夢中な小学生の男の子と、そんな息子を応援するママのお話です。

で、この作品を読んでみた感想なんですが、主人公宝くんのママ菊池母のゆるいことなんの、笑

実は私、この作品を読むまで将棋道場に通う子どもママは子どものことでものすごく一生懸命なんだなという風に思っていたんですよね。

しかし、どうやら実態はそうでもないみたいです。もちろん一生懸命ではあるんですが、息子の将棋を応援するかたわら、ちゃっかり自分もイケメン講師の将棋教室に通ってみたり、昼ごはんを楽しみにしてみたりと、子どもだけじゃなくてなんだかんだ自分も将棋を楽しんでいる感じでした。

特に、我が子以上に子どものライバルの親に対抗心を燃やしていたり、子どもにキラキラした目で高額な将棋本をねだられて辟易したり、教科書どおりの完璧なお母さんではない感じに好感が持てます(^ ^)

過去のいつつブログでもあったように、ママが子どもに将棋させるときって、「将棋のルール知らなくて大丈夫かしら?」とか「子どもについていけなくなったらどうしよう」とか様々なプレッシャーを感じているようですが、菊池母のように、自分も将棋を楽しみながら温かく見守るというスタンスでいいかと思います。

それでも宝くんにママの優しさや温かさは伝わっているようでした。

3. 「ナリキン!」(秋田書店)

性悪中学生が一躍ヒーローに。まさにナリ金!
性悪中学生が一躍ヒーローに。まさにナリ金!

この作品は「は?将棋??将棋の何がいいの?どこがカッコイイの?」っていう方々にオススメです!

確かに、今の時代、メジャーなスポーツに比べて将棋の世界ってなんか地味なイメージですよね(^_^;)「知る人ぞ知る!」感があまりにも強すぎるというか、、、

しかし、いつつに入社して3ヶ月、将棋について色々学ぶうちにプロ棋士はメジャーリーガーやサッカー日本代表にも引けを取らないくらいに凄いし、なんなら、将棋についても、昔あそびの1つではなく、激しく動かないスポーツの一種!として捉えるようになりました。

さて、大幅に話が逸れましたが、私がなぜ将棋に興味のない人にこの漫画をオススメするかというと、この漫画では、「将棋はサッカーに負けないくらいイカしたスポーツなんだ!」と叫んでいるような気がするからです。

この作品の主人公は、成金歩。作中の登場人物のみならず、読者までをも心底イライラさせる天性の性悪です、笑

しかしこの歩ですが、実はもの凄い才能の持ち主。なんと若干14歳、中学二年という若さでプロ棋士になるという、とんだ天才少年だったのです。

そんな歩がひょんなきっかけで、プロサッカーチームに入団し、将棋での知見を活かしながら次々驚くべき活躍を成し遂げていきます。

「性格悪い」「空気読まない」「全然カッコよくない」と全くいいとこ無しの歩ですが、彼が見せるプロとしての意識の高さや将棋で培った勝負師としての性分が、少ししゃくではあるのですがカッコよく見えます。

たぶん普通にいたら、パッとしないばかりか周りからも嫌われかねない一人の少年が、サッカーという華やかな舞台で将棋一つを武器にイケメンをも凌駕する活躍を見せる。

なんとも夢のあるストーリーではないでしょうか、笑

4. 「マサルの一手!」(小学館)

マサルとともに将棋を学ぼう!
マサルとともに将棋を学ぼう!

こちらは2とは逆で、元々サッカー好きの少年がどんどん将棋の魅力にはまっていくというお話です。盤面をサッカーのピッチに捉えて戦略を組み立てるというシーンの描写もみられます。

これまであまり意識してこなかったのですが、サッカーと将棋って本当によく似てるんですね。少し漫画からは脱線しますが、将棋の対局を見ながら駒に好きなサッカー選手を当てはめてみたり、サッカーの試合での作戦を将棋の戦法に当てはめてみるのも面白いかもしれません。

さて、こちらの作品の感想についてですが、小学生にも分かりやすいシンプルかつ爽やかなストーリーですが、こと将棋に関しては、「これでもか!」っていうくらいに本格的です。弊社の将棋初心者のスタッフが読み始めて、序盤で心を折るレベルでしたね、笑

しかし、1巻から様々な戦法が飛び出すこの作品、将棋を少しかじったことのある人にはフィットするのかもしれません。

主人公のマサルがどんどん昇段し成長していく姿と自分を重ね合わせて、みんなの「将棋やる気スイッチ」みたいな働きをしてくれるといいなと思います(^ ^)

5. 「しおんの王」(講談社)

プロ棋士は将棋のためなら鬼にもなれる。
プロ棋士は将棋のためなら鬼にもなれる。

血みどろの一家惨殺事件。あまりにも衝撃的で、そしてあまりにも凄惨なシーンで幕を開けるこの作品。

主人公はこの一家惨殺事件の唯一の生き残りである安岡紫音。父親の影響で将棋を始め、12歳で史上最年少の女流棋士となる。事件のショックから、当時の記憶と声を失うも、将棋の対局を重ねるうちに徐々に記憶を取り戻し、1歩ずつ犯人に近づいていくというお話なんですが、、

それにしても怖いですね。

序盤は事件の真相が気になって気になって、紫音ちゃんが対局するたびに「この人犯人なんじゃないか」と疑ってしまう始末でした(^_^;)

さて、私がこの漫画から感じとったのは、将棋の奥深さや戦術の面白さではなく、プロ棋士の将棋に対する恐ろしいまでの執念でした。

よくどんなに柔和な人柄の棋士でも、対局中には鬼の形相に変わるという話をよく聞きますが、それ本当なんですね。将棋に全てを賭ける人にとっては、将棋のためになら鬼になることも厭わないということが伝わりました。

ここでオチを話すわけにはいかないのですが、やはり事件の真相も犯人の将棋への執念ゆえでした。

しかし、鬼は鬼でも殺人鬼はさすがに怖いと思うのですが(^_^;)

さて、ここまで5つの漫画を紹介してみましたがいかがでしたか? 1つでも読みたいと思うものがあれば、ぜひ書店で手にとってみてください。

漫画もいいけどやっぱり書籍で将棋を勉強したい!という方はいつつの将棋のほんまで٩( ‘ω’ )و

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この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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