株式会社いつつ

将棋を学ぶ:はじめての将棋教室 2017年1月27日

あきこ先生の”はじめての将棋教室”ステップ2-6禁じ手(二歩)

中倉 彰子

将棋には、「禁じ手(きんじて)」というルールがあります。指してしまうと負けてしまうという反則のことです。今回はその「禁じ手」の中でも「二歩(にふ)」について学びます。「二歩」は、初心者の方に一番多い「禁じ手」になりますからしっかり確認してくださいね。

「二歩」は、同じ列(タテの列)に歩が2枚並んではいけないというルールです。

二歩
二歩

「と金」と歩の組み合わせは大丈夫ですよ。

二歩にならない
二歩にならない

歩は最も数の多い駒なので、持ち駒から歩を打つ機会も多いですね。その時には「二歩」にならないよう、必ず打ちたいと思う縦の列を確認してください。子ども教室でもいつも「歩を打つときは下を確認してね。」と伝えています。子どもにとって盤面は広いものです。相手の陣地に歩を打とうとするときに、自陣にある駒の場所は目に入らないということがよくあり、つい「二歩」をしてしまうのです。

大会では「二歩」を打った瞬間に負けになってしまいます。もし相手が「二歩」をしたら「二歩です」と相手に伝え、大会審判やスタッフに報告しましょう。終わってから言おう…と思って黙っていてそのまま対局が終わってしまうと、後から反則を指摘しても、その指摘は無効とされることが多いです。大会では記録係がついてないので、正確に振り返ることが困難なのです。

また、少し難しいですが、将棋には「投了優先」というルールもあり、「投了(とうりょう)※」の方が優先されます。つまりすでにどちらかが「負けました」と言って対局が終わっていれば、どちらが途中で「禁じ手」をしていたとしても、投了した方が負けとなるのです。※投了=「負けました」と意思表示すること。

では逆に、自分が「二歩」をしてしまったら、どうしましょう?そこは潔くその時点で「負けました。」といいましょうね。すぐに手を戻して違う手を指すのは「待った」になりますので、こちらもルール違反です。

ただ、今日は禁じ手の話ばかりしましたが、はじめのうちは、見逃しありにして、のびのび指させてもらえたらと思います。どんどん指して対局に慣れれば、自然とルールも覚えますよ。

〜レッスン後〜

本当に子どもって、見えているようで見えていないんですよね〜。将棋だけでなく、全体を見ることって意外と苦手なのかもしれませんね。よく言えば、1点に集中しているということでしょうか??

今日習った二歩ですが、家に帰って姉妹対局をしたら、早速やってしまっていました…。そこは姉妹ルールで「待った」が適用され、対局が続きましたが、こうやって何度も指していくうちに覚えていくのかなぁと思っています。

次回のステップ

さて、今回の “はじめての将棋教室” はいかがでしたでしょうか?次回は、「禁じ手(行き所のない駒)」について学びます☆

はじめての将棋手引帖

将棋初心者の子どもたちが無理なく楽しく将棋を身に付けられるようにあきこ先生がつくった初心者向け将棋テキストです。
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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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