将棋を教える

2016年6月8日

将棋好きのパパ必見!上手(じょうず)に上手(うわて)が負ける5つのコツ

先日、将棋教室で「親子で将棋をやったときに、私が勝つと子どもがくやしがって拗ねてしまうのです」というパパの悩みを伺いました。

そのお父さんは将棋がかなりお上手なパパだったので、「難しいですが、上手に負けてあげることも大事ですよ〜。」とおこたえしました。

しかし、後々よく考えてみると、親子で将棋を始めたばかりで、駒の動かし方を覚えたばかりのママや、もうずっと将棋をやっていないというパパの場合は、「子どもにどうやって負けてあげるか」が分からないまま、「負けたら子どもがすねてしまう」という悩みを抱えているかもしれない、と思いました。

将棋は、親子で楽しめる「コミュニケーションの手段」として、とってもいいんじゃないかということについて、これまでのブログ記事で発信してきました。

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そして、子どもが将棋が好きになるためには勝つ体験をさせてあげることも大事だと思っています。

道場巡りで訪れた、将棋教室「棋友館」の小田切館長も、「勝つ経験をさせてあげることも指導者にとって大切な役目の1つ」とおっしゃっていました。

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将棋が上手な人は、相手の強さを引き出しながら負ける、ということができます。でも、それほど上手ではない方にはそれは難しいかもしれません。

そこで、「強さを引き出す」までは難しいけど、それに近い「良い負け方」をするにはどうすればいいかを考えてみました。

入門クラスの子どもと、昔将棋をやっていたパパ・入門クラスだけど大人の知恵で子どもに日頃は勝ってしまうというママとが将棋を指すことを想定して、パパ・ママがうまく子どもに負けることができる方法について、そのポイントを5つ紹介してみたいと思います。

1. 子どもの飛車の前方を守らない

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攻めの主役の駒は「飛車」です。子どもにも人気の駒ですね。飛車先の歩を伸ばして相手のエリアに向かわせる方法は、基本的な攻めの手段です。

実際の対局では勝たなければならないので、相手の飛車の前方は特に用心して守らなければいけません。

でも今回は、守らないでください。

子どもに上手に負けるためには、「攻めたい!」と思っている場所をしっかり攻めさせてあげる、つまり子どもの飛車の前方を守らないということが大事です。狙い通りに攻めさせてあげましょう。

飛車の前方を攻めさせるということによって、「数の攻め」という将棋の攻め方を学ぶことができます。

2. 玉をあまり動かさない、上側に動かさない

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将棋の格言に、「中段玉は寄せにくし」というものがあります。簡単にいうと、中段とは盤の中央部分、自分のエリアでも相手のエリアでもない部分をいいます。
※将棋の格言とは・・将棋の上達に役にたつことわざのようなものです。

この部分に玉がスルスルと移動してしまうと、つかまえずらい玉になってしまう、という意味です。

逆に玉が、一番下の段にいるときは玉の動ける場所が少なく、捕まえやすいのです。

子どもが王手をかけてきた時は、「上の方(パパ・ママからみて上)に逃げる」のではなく、「下の方(パパ・ママからみて下)に逃げる」ように意識しましょう。

玉はなるべく下にの段に逃げるのがポイントです。

最後にもう一つ格言を。

「居玉は避けよ」という格言があります。「居玉」とは玉を全く動かさない状態です。居玉だと攻められた時にあぶないので玉は囲いましょう、との意味です。

ですので、今回のテーマだと玉は最初の位置のまま戦ってあげるというのがいいということになりますね。

3. 候補手を出してあげる

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真面目なお子さんであればあるほど、何を指したらいいかがわからず、じっと考え込んでしまうことがあります。

そんな時は、候補を2から3ほど出してあげて選ばせてあげると良いと思います。とはいえ、候補手をポンポンと上げるのも難しいですよね。

そういう場合は、こんなことを意識してもらえればいいと思います。

  • 攻められたら嫌な場所を素直に言う
  • 飛車だけで攻めている場合、「お友達も連れてきたほうが攻めやすいよ」、というように角道を開ける手、銀を攻めに参加させる手を提案してみる。
  • 駒があまりぶつかっていない局面の時は、「玉を守ったら後々役に立つかもしれないね」と、玉を守る手(玉を自分の飛車から遠ざける、金を玉のそばにくっつける)を提案してみる。

最後、玉が詰むことを読み切れた場合は、「あー、詰みがありそうだなー」ということを言ってあげると、お子さんも詰将棋モードになり、詰みを見つけてくれると思います。

4. 長考しない

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3.では真面目なお子さんのお話をしましたが、これはパパ・ママもおんなじです。真面目なパパ・ママほど、考え込んでしまいます。

子どもって、すぐ集中力がそがれてしまうもので、一度長考して「ママ〜、まだー?」というような状態になると集中力がきれてしまいます。

子どもとの対局の時に、長考してしまうパパやママも多いと聞きますが、決断よくサクサク指してみましょう。気楽に指してくださいね。

5. 負けてしまったら、「負けました。」をはっきりいう

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以上を踏まえて対局をしてもらえれば、きっとお子さんの力をちょっと引き出しながら、負けることができると思います!最後は、負けた後のお話を。

「負けました。」お辞儀。ということをみせてあげてください。子どもはすごく喜びますし、続けて頑張ろうと思う良いきっかけになると思います。
普段の生活で、大人が「負けました。」なんて言うことなんてあまりないですが、そこはお手本をみせるつもりで。

「負けました」って大人も言えるんだ、ってわかればれ、子どもも「負けましたって言う」ハードルがさがると思います。子どもは親をみていますからね…。

感想戦では、勝ちにつながったことを、例えば「飛車を上手になれたね」、「角を攻めに参加させたのが良かったね」、「最後うまく詰ますことができたね」…などを、アドバイスできれば良いと思います。

子どもの指し手の問題点を指摘するのはある程度強くないとできないので、強い人にお任せしちゃっていいと思います。対局中に集中できたとか、「パパ/ママこんな手気がつかなかった。」とか、子どもの指し手を認めてあげてもらえたらと思います。

そのうち「パパ/ママは弱くて〜。」なんて天狗さんになってきたら、ポキっとおってあげてもいいかもしれませんね。パパ/ママもなかなかやるな!って思って、より熱が入ると思います。子どもの方が将棋が強くなっても、まだまだ子どもは親の助けが必要です。

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この記事の執筆者中倉 彰子

株式会社いつつ代表取締役、女流棋士。女流アマ名人戦連覇後、94年高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。プロとして公式戦を戦うだけでなく、NHK杯将棋トーナメントなどテレビ番組の司会や聞き手、イベント司会などでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、育児と仕事の両立に奮起。2007年日本女子プロ将棋協会設立に参画。事業部長として、地域や子どもたちに長く親しまれるイベント作りを心がけている。子育てエッセーを地方紙7新聞に連載し、近年は将棋と知育・育児を結びつけるような活動を広く展開。2015年10月株式会社いつつを設立、代表取締役に就任。女流二段。法政大学人間環境学部卒。@AKIKOPDG

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