将棋を教える

2017年11月17日

子どもが負けていじけた時の対応

子どもたちの中には、自分の負けをなかなか受け止められず、いじけてしまう子がいます。例えば、「どうせ勝てない」と自暴自棄になったり、部屋の隅っこの方に隠れて対局拒否をしてみたり、さらには、玉をどんどん前に出してわざと負けるなんて子もいます。

気持ちはよくわかります。だって将棋で負けるってとっても悔しいですもんね。しかも、それを「負けました」と自ら認めなくてはならないなんて、子どもたちにとって将棋の世界は厳しいものなのかもしれません。

ただ、将棋で強くなるためには、やはりいじけてばかりではいけません。別に強くなることだけが将棋で大切というわけではないのですが、ある程度強くなった方が確実に将棋が楽しくなるし、そのためにはたくさん対局をするということを避けては通れません。

子どもが負けを嫌がらないようにするコツについての記事もご覧いただきたいのですが、今回のいつつブログでは、負けていじけてしまった子どもたちを再び前向きにするための工夫についてお話したいと思います(^_^)v

1.先生と指す

先生が胸を貸してあげて
先生が胸を貸してあげて

相手が誰であれ、負けて悔しいことに違いないのですが、同級生のお友だちに負けるのと大人に負けるのとでは、悔しさの度合いが違うのではないかと思います。

もちろんお友だちに負ける方が、大人に負けるより何倍も悔しいわけですが、それはなぜかというとお友だちに負けた時は言い訳ができないからなんだと思います。もし相手が大人であれば、「大人だから負けた」と言い訳ができますよね(^^)

本来、勝負ごとに言い訳は禁物なのですが、まだ将棋を始めたばかりで、負けることや、ましてや対局そのものに慣れていないという子どもたちには逃げ道も必要なんじゃないかと思います。

なので、私の将棋教室では、子どもがいじけてしまった時は、私がその子の相手をするようにしています。もちろん、相手は私じゃなくても、少し年の離れたおにいちゃんおねえちゃんでもいいかと思うのですが、個人的には指導者が相手をしてあげる方が、その子どもの今ある強さや知識を引き出してあげることができると思います。

2.勝ち負け以外で褒める

いつつ将棋教室でもポイント制を取り入れています。
いつつ将棋教室でもポイント制を取り入れています。

どんなに負けて落ち込んでいても、褒められると「またがんばろう」って思いますよね(^^)

たくさん指すことができた。きちんとあいさつができた。「負けました」をちゃんと言えたなどなど。将棋には、勝った負けた以外にも子どもたちを評価するポイントがたくさんあります。

もちろん、口頭で「よく頑張ったね」「ちゃんとできてえらいね」と伝えてあげるだけでも、十分効果は見込めると思うのですが、「褒めている」ということを目に見える形にしてあげると子どもたちのモチベーションはさらに向上します。

例えば、先日、いつつ将棋教室東京府中校のオープン記念として交流大会を開催したのですが、その際は優勝・準優勝の他に「たくさん指したで賞」や「がんばったで賞」などの賞もつくって、みんなに表彰しました。この時も、なかなか勝つことができず途中対局を最後まで指すことができなかった子もいたのですが、最後には笑顔で「また将棋をしたい」といってくれました。

また、いつつの将棋教室ではポイントカードを使ったポイント制も実施しています。教室の出席のほか子どもたちにいいところが見つかれば、その都度スタンプを押すようにしています(^_^)v

将棋初心者のお子さんをほめるポイントについてはこちらの記事がオススメです!

3.気分転換させる

大盤でリレー将棋をすると気分転換になります。
大盤でリレー将棋をすると気分転換になります。

美味しいものをたくさん食べる、カラオケに行く、遠いところに旅に出る、新しい髪型にするなど。失恋や友だちとのケンカといった何か嫌なことがあった時には、ぱっと気分転換するのが1番いいかと思います(^^)

ただ、将棋の場合、負けて嫌な思いをしたからといって、お菓子を食べたり、そのまま遊園地に行くなんてことはできないので、詰将棋やプリントなど対局以外のことをしてもらいます、笑。

私が、気分転換としてオススメしているのが、大盤を使ったリレー将棋です。リレー将棋とは、数人のお友だちとチームを組み1手ずつ順番に指す将棋のことで、私はよく先生VS子どもたちチームという組み合わせで対戦します。

リレー将棋のいいところは、チームで戦うので、たとえ負けたとしても自分一人の責任にはならないというところです。また、裏を返すと、チーム戦なので、わざと負けに行くようなことはできず、いじけていた子どもたちも仲間のためにちゃんと考えて将棋を指します。同じチームで「いいねいいねー。」とか仲間意識も芽生えます。

ちなみに、私が大盤を使用してリレー将棋をする時は、必ず上側の陣地を持つようにしています。そうすれば、子どもたちから見ると、駒の進行方向が、卓上のものと一緒になるので、考えやすくなります。

4.道具に変化をもたせる

チェスクロックなど将棋道具に変化を加えるのもいいかと
チェスクロックなど将棋道具に変化を加えるのもいいかと

裏の手ではありますが、子どもたちの旺盛な好奇心をあおることで、再び対局に目を向けさせることもできます。

例えば、チェスクロックは、将棋教室の中では子どもたちに大人気です。秒読みする時計なんて、日常生活の中ではなかなかお目にかかれないですもんね、笑

私は、教室の中で対局に対してあまり前向きじゃない子がいるなと思うと、チェスクロックを使うこともあります。すると、秒に追われて必死に次の一手を探します。わざと負けるとか余計なことを考えなくすむのかもしれません。

他にも、普段は掘駒だけど盛り上げ駒を使ってみたり、普段は卓上だけど脚付きの将棋盤を使ってみるなど、将棋道具に工夫を加えることでいつもとは違う将棋を子どもたちに体験してもらうようにします。

負けた悔しさよりも、好奇心が勝るというのは、子どもたちがまだまだ強くなる証拠なんだと思います( ´ ▽ ` )

 

5.ほっておく

将棋が好きという気持ちがあれば、子どもたちは戻ってくるはず。
将棋が好きという気持ちがあれば、子どもたちは戻ってくるはず。

少し厳しい言い方になりますが、負けを乗り越えられるかどうかは最終的には自分次第です。もし1〜4の方法をとっても、子どもたちのモチベーションが戻らない場合は、少しはがゆい気もしますが、時間が解決するのを待つしかありません。

時間はがかかるかもしれませんが、もし少しでも将棋が好きという気持ちが子どもたちにあれば、必ず対局の場に戻ってくるはずです。あの藤井聡太四段や羽生さんもいくつも負けを乗り越えて強くなりました。「将棋が好き」という気持ちがあればきっと強くなれると思います。

さて今回は、子どもが負けていじけてしまった時の対応についてお話しさせていだきましたがいかがでしょうか?

負けて悔しがることは、決して悪いことではないし自然な感情だと思います。自分で負けを認めることは、将棋が上達するために非常に重要なことなのです。そのあとに「もうや〜めた。」となってしまわないように、あの手この手で工夫をして「次がんばるぞ。」と前向きになるような声がけや工夫をし、次のステップに向かえるよう日々試行錯誤の繰り返しています。

これから将棋を学びたいという方はいつつ将棋教室へ。体験会も実施していますのでお気軽にご参加ください(^^)

お子さんに将棋をはじめてもらいたいと思ったら、子ども向けの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸のしょうぎやさんいつつまで!

この記事の執筆者中倉 彰子

株式会社いつつ代表取締役、女流棋士。女流アマ名人戦連覇後、94年高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。プロとして公式戦を戦うだけでなく、NHK杯将棋トーナメントなどテレビ番組の司会や聞き手、イベント司会などでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、育児と仕事の両立に奮起。2007年日本女子プロ将棋協会設立に参画。事業部長として、地域や子どもたちに長く親しまれるイベント作りを心がけている。子育てエッセーを地方紙7新聞に連載し、近年は将棋と知育・育児を結びつけるような活動を広く展開。2015年10月株式会社いつつを設立、代表取締役に就任。女流二段。法政大学人間環境学部卒。@AKIKOPDG

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