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将棋指導者お悩みQ&A〜子どもどうしの感想戦〜

「子どもの棋力をどう上げていくのか」という問いに対する答えとして、「戦法を覚えましょう」や「棋譜並べをしましょう」など、方法論のようなものは既にある程度確立されていると思います。しかし、どの順番でそれらをこなしていくのかや、どのタイミングでそれらを教えればいいのか、そしてどう教えると分かりやすく伝わるのかといった子どもに対する細かい部分での配慮が、指導する側にとって悩ましいポイントだと思います。

特に、教える側がある程度将棋に精通していると、自分ではよく分かっているだけに、子どもがどの部分でつまずくのか、またつまずく場所の何がわからないのかがよく理解できずに歯がゆい思いをすることも少なくないと思います。

そこでいつつブログを通じて、将棋の強いお父さんお母さんや将棋の指導者の方が抱える、将棋を教える際の子どもへの配慮に関するお悩みに、女流棋士の中倉彰子が子ども将棋教室などで実践していることをもとにお答えしたいと思います。

中倉彰子が子どもたちに将棋を教えるときのお悩みにお答えします。
中倉彰子が子どもたちに将棋を教えるときのお悩みにお答えします。

さて今回いただいたお悩みは、子どもたちの感想戦についてです。

子どもどうしの対局の後、感想戦に指導者がどこまで踏み込むべきでしょうか?

子どもたちの棋力によると思います。

具体的には、子どもたちの棋力は大きく「初手から振り返られる」「初手から振り返られない」の2つに分けられるのですが、有段者くらいの「初手から振り返られる子」は自分で指した手をだいたい覚えているので、終わった後に最初の形に戻し、初手から振り返ってもらってもいます。この場合、私は極力口を挟まず見守る程度にしています(^ ^)

そして、「初手から振り返られない子」に対しては終局の局面から振り返るようにしています。

その場で終わったばかりのその局面を確認し、きっちり詰まれていたらその手順を見せてもらい、「よく詰ませたね。」と勝った側に声をかけ、負けてしまった側がもし間違って逃げていたら「こうやって逃げていたら良かったね。」と声をかけるようにしています。「初手から振り返られない子」でも数手くらいは前なら振り返ることができるからです(^ ^)

また、これくらいの棋力の子に多いのは、うっかり玉を取られてしまったという局面です。特に角の利き、飛車の利きはうっかりしやすいものですので、「こんなに遠くから狙っていたんだね。」などと声をかけます。王手の見逃しは、将棋を覚えたてのころはとても多いからです。

どのように負けたのか、どのように受けていたのか、もし王手のかかった手順に気づいていたらどうやって対処していたのかを確認し、こうしたことを何度も繰り返すうちに子どもたちが次から気を付けるようになります。

また、こうした終局の局面での感想戦に子どもたちが慣れてくると、今度は序盤からの感想戦に挑戦してもらいます。もちろん、きっちり全ての手順を覚えているかということではなく、時には混沌とした盤面になっちゃうこともあるのですが、私は序盤の10手が並べばそれでよしだと思っています(^ ^)

角道をちゃんと突くことができたか、飛車先の歩がついてあるか、玉の囲いができたかなどを確認します。中には囲いができるのにしない子には「なんで美濃囲いしなかったの?」と声をかけます。囲いなどは、実戦で何度も繰り返しなが手順を覚えていくので、囲いを知っている子にはなるべく実戦でも囲いをするように促しています。

子どもたちの感想戦は、正確に振り返ることよりも、子どもたちが二人でできるように促すように意識しています。はじめて対局した二人でも、間に私が入って二人の会話が始まれば、よく分からないなりに勝った側のお子さんが「こうだと思う」という感じで負けた側のお子さんがどうするべきだったかを教えてくれることが良くあります。このように誰かに教えてあげるという体験からも子どもたちが学ぶことがあるんじゃないかなぁと思っています。

もしかしたら、「こんなの感想戦の真似事だよ」とおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、たとえ棋力が追いつかなくても、時間がどんなに短くても子どもたちどうしの対局の後には必ず感想戦をすることで着実に棋力が上がっていくと思うので、二人で感想戦ができるようにフォローをしています。

また、どこまで踏み込むかということですが、二人がそれぞれ話し始めたらなるべく見守りはするのですが、負けた側が「今度はここを気をつければいいだ。」という気づきがあるようにしたいと心がけています。子どもたちどうしでそれが見つかりそうなら見守るだけですが、二人だけではちょっと無理そうかなという時は、私が入って「ここはこうすれば良いかもしれないね。」と踏み込みます。

ただあくまで提案のような口調です。「こうするべき!」「なんでこーやらなかったの!」という断定的な言い方はしないようにしています。

なぜなら、その子なりにそう指した理由があることもあるからです。「この駒で取られるかと思ったから。」という時に(あーそうかこの手が見えにくいんだなー。)と私も気が付かされます。できれば子どもたちが「あ、そうか。」という納得が行くように提案してあげたいですね。また断定しない他の理由としては、私レベルでは見えないような手を、もしかしたら子どもたちが見えている可能性があるかもしれませんからね(^ ^)。

子どもたちの棋力が追いつかなくても、対局の後は必ず感想戦をするようにしましょう。
子どもたちの棋力が追いつかなくても、対局の後は必ず感想戦をするようにしましょう。


(おしゃれな盤駒を買ってあげるのも、モチベーションにつながるかもしれません♪)

さて、今回は子どもどうしの感想戦への関与の仕方についてお答えしたのですが、いかがでしたでしょうか?

きっと将棋を教える上でのお悩みはもっと色々あることかと思います。どこまでお役に立てるか分かりませんが、私も子どもたちに将棋を教える指導者の一人として、皆さんと悩みを共有し、「これいいな」「良かったな」ということはどんどん発信していきたいと思っています(^ ^)

他にもいつつブログでは、将棋に関するお悩みに関する記事がたくさんあります。ご興味あれば、ぜひご一読ください。

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