東京新聞「子育て日記」

2016年5月9日

将棋で打たれ強く -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ

最近、末っ子のシンに、「ヤダヤダ!」が出始めた。そう魔の2歳児に突入です。歯磨き、着替え、検温、すべてにまず「ヤダ~。」がつくので、こちらも頭を使わねば。試したのは、泣きまね作戦!

ママ「お着替えをしてくれないなんて。ママ悲しすぎる~。」とシクシク。すると、「ん?」と気が付き「ジャ~ン。きたよ~。」と言ってこちらに来た。心の中でニンマリ。もうこうなったら女優になり切るしかないわ。(笑)。

先日、子育てに関する講演会を聞きに行きました。とても参考になったのですが、その中で、子供の「自己肯定感」のお話がありました。

日本は、自己肯定感が低い子供が多いとのこと。私も子供達に自己否定に繋がるような言動がなかったかを振り返り、大いに反省したのですが、ふと、将棋教室の生徒のことを考えました。

子供教室は小学生が中心ですが、負けたくないばかりに、生徒同士の対局を嫌がる子が何人かいます。

将棋は勝ち負けがはっきりしているうえに、自ら「負けました。」と宣言して終わるゲームなので、「負け」は自己否定されたように感じてしまうのかもしれません。生徒には、しつこい位、「負けは気にしない。たくさん対戦する事の方が大事。」と言っています。

「負けました。」とはっきり言えるようになり、「どこが悪かったかな?」と振り返ることができれば、
もうしめたもので、上達は間違いありません。

失敗の経験不足からくる打たれ弱い人間にならないために、小さな挫折を繰り返す将棋は、子供達にとって、とても大事な経験のような気がします。

さて、シンですが、以前は将棋の駒を見つけるとポイポイ投げていましたが、最近は、大人の真似をして、そ~っと取り、駒台に動かして満足そうです。対局をしている気分になっているようです。

※子供語録※
お手伝い
お姉ちゃんが、料理のお手伝いをするのをみて、シンもやりたがる。
シン「おてちだい、する~。」
仕方がないのでトマトを一緒に洗おうとすると
シン「ママ、ない!」
(あっちいっての意味)ボールに水をいれて洗っていたが、しばらくすると、プシュっとトマトの汁がはねた。あれ?と思いみると、トマトをかじるシン。
皆「食べたらお手伝いじゃないよ~。」

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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2012年6月15日 朝刊

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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