株式会社いつつ

将棋を楽しむ 2017年8月9日

【超初心者向け】毎日楽しく続けられる将棋上達法5つ!

中倉 彰子

以前にいつつブログで【初心者向け】毎日楽しく続けられる将棋上達法5つ!」という記事を投稿させていただき、ありがたいことに、数ある記事の中でも、特に多くの読者の方にご愛読いただける人気記事のひとつになりました(^-^)

今回は、「【超初心者向け】毎日楽しく続けられる将棋上達法5つ!」というものを書かせていただきます。

というのも、以前に書いた記事では、【初心者向け】の初心者として、将棋教室に通っている子どもたち(駒の動かし方や将棋のルールを知っていて、本将棋を何度も指している)を想定していたのですが、藤井聡太四段の大活躍にわく昨今、ずっと将棋が好きでブームの前から将棋を指していたお子さんと、ブームがきっかけとなり将棋に興味を持ち始めたというお子さんでは、同じ将棋初心者という括りでも、上達へのアプローチが少し違うのかなぁという気がしたからです。

前回が「将棋のルールを知っている」→「将棋の対局を楽しめるようになる」というアプローチだったのに対して、今回は「将棋に興味を持つ」→「将棋を好きになる」というステップで書いてみました。

もし「最近の将棋ブームがきっかけで将棋をはじめたばかり!」「とりあえずはじめてみたものの継続できるか心配」という方がいれば、「【初心者向け】毎日楽しく続けられる将棋上達法5つ!」と合わせて、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

1.駒にキャラクターを付ける

将棋の駒のキャラクターが特に女の子に大好評。
将棋の駒のキャラクターが特に女の子に大好評。

将棋における最初のハードルは「将棋の駒の種類と動かし方」を覚えることです。そこで私は、はじめて将棋に触れるお子さんには将棋駒の動かし方を教える時には必ず、何かに例えて教えるようにしています。金と銀については、「大きなお屋根が金、小さなお屋根が銀」「きのこみたいな動きをするのが金」「バンザイしているのが銀」といった具合です。そうすると、次のレッスンの時に「ちっちゃいお屋根は?」と聞くと、必ず子どもたちから「銀!」と答えが返ってくるようになります。

私は昨年「しょうぎの くにの だいぼうけん」(講談社)というしょうぎの絵本の物語を考案させていただいたのですが、その物語に登場する将棋の駒のキャラクターが、子どもたちから大人気です。駒の動きだけでなく、その駒の特徴も伝えたいと思っているので、例えば、「きょうこねえさん(香)は、まっすぐ前に進むのは得意中の得意だけど、後ろにはさがれないという弱点があるんだよ。なのでなるべく下に置いておくと力を発揮するよ。」という具合に説明します。それぞれの駒を、かわいい赤ちゃんのふうくん(歩のキャラクター)など、個性豊かなキャラクターとして紹介していくことで、駒に親近感を持ち、それぞれの駒の特徴もすんなりつかむことができるようです。ちなみに、絵本のキャラクターで紹介していくと特に女の子やお母さん方に好評です。

2.1手詰めの詰将棋にチャレンジ!

一手詰の詰将棋を集めた書籍もあります。
一手詰の詰将棋を集めた書籍もあります。

詰将棋とは、ある局面から相手の玉を詰ますゲームです。攻め方(玉を詰ます方)は必ず毎回王手をかけ、玉方(玉を逃す方)は、毎回その王手から逃れます。通常詰将棋の問題を解くときは、攻め方も玉方も一人二役、自分一人でつとめます。攻め方と玉方の駒の動きをパズルのように組み合わせながら、たった1つの答え(手順)が導けた瞬間は、なんともいえない達成感があります(^-^)

そこで、将棋超初心者の子どもたちにオススメなのが1手詰めの詰将棋です。最初はわからなかったら、答えをみてももちろんOKです。詰将棋の横に、日付けと解けたら「◯」、できなかったら「☓」をつけていけば、2周目ときに、「あ、これ以前に間違えた問題なんだ。」と気合をいれて向かうこともできます。

「簡単すぎる」と思ってきたらしめたものです!(笑)今後は、その詰将棋の本一冊解くのに、タイム測りましょう。一冊何分でできるのか。記録を更新していく楽しみがありますよ。

 

何かを上達させるための努力を継続するには、子どもたち自身が成長を実感することが重要なんだと思います。そして、成長を実感するのに、低すぎるハードル(全く考えない)ではやりがいがなく、高すぎるハードル(いくら考えても分からない)では心が折れてしまいます。「う〜ん」と悩みながらもちゃんと答えに辿りつけるちょうどいい高さのハードルを設定してあげることが、将棋初心者の子どもたちが毎日楽しく将棋の練習を続ける上で大切なポイントになるのかなと思います。(適度に課題を渡すのがなかなか難しいところではありますが。)

一手詰の詰将棋をたくさん解くことで、子どもたちが自身の日々の上達を実感してくれるといいなと思います。

3.本将棋以外の簡単なゲーム

将棋道具を使った遊び方は本将棋以外にもたくさんあります
将棋道具を使った遊び方は本将棋以外にもたくさんあります

将棋超初心者の子どもたちにとって、「本将棋を指す」というのはなかなか難しいものです。というのも、駒の動かし方や基本的なルールを覚えたとしても、そこから、どんな目的に向かって、どの駒をどのように動かせばいいのか、という感覚をつかむようになるまでには、ちょっと時間がかかるからです。

そんなとき!本将棋以外にも、色んな楽しみ方があるので参考にしてみてください。以下、将棋の盤駒を使用した簡単な将棋のゲームをいくつか紹介させていただきます。

駒に親しむ:はさみ将棋

駒の価値をまなぶ:やまくずしまわり将棋

駒の利きをまなぶ:将棋パズル利きを使ったゲーム

「成る」をまなぶ:王様おにごっこ

はさみ将棋・・・・・相手の駒を挟んでとるゲームです。使う駒は歩のみ。それぞれの1段目に歩5枚またはと金5枚を配置します。駒の動かし方は、歩でもと金でもタテヨコ自由に何マスでも進めます。タテまたはヨコに相手の駒を挟んだ場合、隅っこに追い詰めて相手の駒を動けなくした場合、相手の駒を取ることができます。相手の駒が残り1枚になると負けになります。

まわり将棋・・・・・すごろくに似たゲームです。まずは歩の駒を将棋盤の4隅に置き、サイコロの代わりに金4枚を振り表が出た枚数だけマス目を前に進むことができます。向かい側の隅に駒が到着するとパワーアップすることができます。パワーアップは「歩→香→桂→銀→角→飛→玉」と次第に駒の価値が上がっていき、先に玉になった方が勝ちになります。例えば、駒が盤から落ちると1回休み、駒が立ったら10マス進むとか、全部裏向きに出るとワープできるなどの地方ルールもあるようなので、回り将棋自体を自由にアレンジするとさらに楽しくなります(^_^)

4.ママ・パパと対戦する

大人があえて負けてあげることも時には大切
大人があえて負けてあげることも時には大切

先ほど3番で将棋の盤と駒を使った簡単なゲームを色々紹介させていただきましたが、「ママと◯◯ちゃん将棋パズルどっちが早くできるかな」とか「パパとまわり将棋で勝負!」と、そこに対戦の要素を加えることで、子どもたちは俄然やる気に満ち溢れるます(^^) 本将棋以外でも、誰かと対戦して「勝った」という経験は、子どもたちにとって大きな自信につながります。自信が湧いてくれば、自然と将棋に対するモチベーションも上がり、モチベーションが上がれば、もっと将棋が指したくなり、その結果として子どもたちの棋力も上がると思います。

5.将棋道具を大切にする

将棋道具を大切にすることが将棋上達の第1歩。
将棋道具を大切にすることが将棋上達の第1歩。

皆さん子どもの頃に片時も離したくない大切なおもちゃとかなかったですか?

もちろん、将棋道具といっても将棋盤などは重たいものもあるので、肌身はなさず持っているというのは無理なのですが、例えば駒を無くさないようにちゃんと数を数えてからしまうとか、駒が欠けたり盤に傷がつかないように乱暴に扱わない、長く使えるようにちゃんと将棋道具を磨くというのも、「大切にする」という気持ちのあらわれなのではないでしょうか?

イチロー選手しかり、将棋の世界でも強い人というのは、必ずといっていいほど自分の道具をとても丁寧に扱います。別に道具を大切に扱ったら強くなるという直接的な因果関係があるわけではないのですが、道具に対して真摯になれる人は、きっとその道具を使った普段の練習にも真摯に取んでいるんだと思います。

以前にいつつブログで将棋の駒を磨くということについての記事を投稿させていただいたのですが、プロ棋士の中でも将棋の駒を磨くことで心を落ち着かせている人もいるとのことでした。将棋の駒を磨きながらきっと心も磨いているのでしょうね。

いきなりプロの将棋を理解するというのは到底無理な話ですが、プロ棋士のこうした将棋に対する姿勢をまなぶというのは、たとえ将棋超初心者の子どもたちであってもできると思います。

さて、今回は超初心者に向けて楽しく将棋をまなぶ方法について書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?藤井聡太四段の活躍のおかげで、本当に日本中のたくさんの子どもたちが将棋に興味を持ってくれるようになりました(^^)

ただ、これから先、こうしてできた将棋の種に水をやり、蕾をつけ開花するまで注意深く見届ける役目を担うのは、藤井四段ではなく、実際に子どもたちを見守るママやパパであり、将棋の普及や指導を務める私たちなんだと思います。将棋の魅力・奥深さを心を込めて伝えながら、子どもたちの中にある「将棋楽しい!」「将棋好き!」という気持ちをもっともっと育んでいけるといいなと思います。

将棋をはじめたくなったら、子ども向けの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸の将棋屋さんいつつまで

新商品「はじめての将棋手引帖 3巻」も登場しています(^^)

この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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