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我流将棋になりやすいポイントとお作法にまつわるプチトリビア

子どもたちの中には、将棋道場や将棋教室へ通わず、学校や学童のお友だちと一緒に指す中で将棋を覚えるという子も少なくありません。基本的には、楽しく指せれば、どこで指しても問題はないのですが、学校や学童の場合だと、専門的な指導者がいないため、基本的なルールや駒の動かし方は教えてもらえても、きちんとしたお作法など、細かいところまではなかなか指導できません。

その結果、どのようなことが起きるかというと、子どもたちの将棋は自己流将棋のオンパレードです(^_^;)先ほども申し上げたように、楽しく指していればそれでいいといえばいいのですが、私としては、せっかく将棋を知ってもらったからには、将棋の楽しさだけじゃなくて、奥深さも知ってもらいたいし、ボードゲームとしての将棋だけじゃなく、日本伝統文化としての将棋を子どもたちに体験してもらいたいなぁと思っています(^^)

そこで、今回のいつつブログでは、学校や学童で将棋を楽しむ子どもたちに向けて、自己流になってしまいがちなポイントについてまとめてみました。きちんとした将棋のルール・お作法を覚えて、子どもたちが今よりもっと将棋を楽しめるようになるといいなと思います。

(駒の柄のマスキングテープ、その名も「こますきんぐてーぷ」はいつつの人気商品です♪)

1.「王手」といわなきゃいけないと思っている

将棋は完全情報公開制なので、相手に王手と伝えなくていい
将棋は完全情報公開制なので、相手に王手と伝えなくていい

子どもたちどうしの将棋で1番多いのが、これだと思います。カードゲームのUNOとかでも残り1枚になった時点で「ウノ!」と発声しないといけなかったりしますよね(^_^;)そもそも、「王手」ということ自体が子どもたちにとって楽しかったりするのかとも思うのですが、実は、将棋道場や将棋大会、またプロ棋士どうしの対局であれば、「王手」と発言することはほとんどありません。

では逆に、「王手」といってしまったら、反則になってしまうかというとそうでもありません。ただ将棋は、完全情報公開制のゲームなので、わざわざ相手に「王手」と教えてあげなくても、盤面を見れば分かります(気付かなかったということはよくありますが(^_^;))。また、反則にはならないからといって、あえて「王手!」と大きな声を出したり、何度も繰り返しいうというのはマナー的によくないので避けましょう。

2.持ち駒の置き場所が自由

持ち駒は自分の右側に!
持ち駒は自分の右側に!

1でもお話ししたように、将棋は完全情報公開制のゲームです。将棋盤の上の駒はもちろんのこと、自分の持ち駒も、何の駒が何枚あるのか、相手からきちんと見えるようにして置かなくてはいけません。そのため、将棋では、持ち駒を置くための場所がちゃんと決まっています。それは、自分の右側です(指し手が右利きでも左利きでも右側です)。

将棋教室や将棋道場であれば、予め将棋盤と駒台が準備されていることが多いので、持ち駒の置き場に困るということもないのですが、
学校や学童だと、駒台がないところがほとんどなので、子どもたちは持ち駒を手前に並べたり、握ったりしています。これだと、対戦者からしてみると、相手が何の駒を持っているのか分からないですよね。

また、もしかすると、学校や学童で将棋をする子どもたちの中には、駒台の存在を知らないという子もいるかと思います。もちろん、わざわざ購入する必要はないのですが、例えば駒箱やコースターを代用するなどして、「持ち駒はお友だちから見えるところに置く」という習慣を身につけられるといいと思います。

3.玉を王の持ち手を適当に決める

上手または歳上が王将を持ちます。
上手または歳上が王将を持ちます。

いわゆる将棋の王さまには、「玉将」と「王将」の2種類があり、将棋のお作法では原則、上手(または歳上)が「王将」を持ち、下手(または歳下)が「玉将」を持ちます。

さてこの習慣がどこから来たのかというと、室町後期の南北朝時代まで遡ります(諸説あるうちの1つですが・・)。この時代の特徴は、2人の天皇がいたこと。世間の二人の王様がいるのは良くないという考え方が、どちらの王様が正統なのかという考え方に発展し、さらにそれが二つの王将(実際には両方とも玉将が多かったはずですが)を使っていた将棋にも投影されるようになったといわれています。

結果的には、一方に王将、もう一方に玉将と駒字で表記するようになり、対局では上位者が王将を取るというのがならわしになったと考えられます。

同級生のお友だちどうしだと、どちらの方が上手とか下手とか分からないと思うので、生まれ月などを聞いてどちらが王将を使うのか決めるといいと思います。

ちなみに、子どもたちがお互いに「何月生まれ?」と確認しあっている姿も微笑ましいですよ(^^)

4.先後の決めかた 振り駒を知らない

振り駒は子どもたちも楽しい(^^)
振り駒は子どもたちも楽しい(^^)

学校や学童で将棋をするときは、ジャンケンで先手後手を決めることが多いのかと思うのですが、将棋では、伝統的に「振り駒」をして対局の先手後手を決定します。

振り駒は、まず駒を初期配置に並べた時の、上手側の真ん中の歩兵5枚を手にとります。次にそれらの駒を手の中でよく振ってから将棋盤の上に広げます。5枚の歩兵のうち、表(つまり歩兵)が多く出れば、上手が先手、裏(つまりと金)が多く出た場合は、下手側が先手になります。

ちなみに、なぜ振り駒は5枚なのか?と思った方はいませんか?

かつては余り歩を使って1枚で振っていた、なんて話を聞いたこともあるのですが、確かにそのほうが効率的だし、奇数なら別に3枚でも7枚でもいいような気がします。

少し調べてみたところ、5枚ということに特に根拠はないようです。ただ、5枚振るというのは、戦後になって定着した儀式のようで、恐らくですが、名人戦など権威のある対局で振るのに1枚では権威があまりないですし、3枚だと振り直しになる可能性が高まります(1枚立ってしまったときなど)。そして、7枚になるとさすがに煩わしいですので、それなりに儀式として成立し、振り直しの心配がまずない5枚が、もっとも合理的な奇数枚数として定着したのではないかと思います。

さて、色々細い話をしましたが、なぜ私が子どもたちに振り駒をおすすめするかというと、振り駒は子どもたちにとって楽しいものだからです。ちなみに、私の将棋教室でも、みんな楽しそうに駒を振っています(^^)ただ、楽しいからといって駒を思い切りぶちまけるのは厳禁ですよ!

5.3つの礼

将棋は、礼に始まり礼に終わる日本の伝統文化です。
将棋は、礼に始まり礼に終わる日本の伝統文化です。

「お願いします」「負けました」「ありがとうございました」。数ある将棋のお作法の中でも、私は「3つの礼」が1番大切だと思います。なので、たとえ子どもたちどうしの遊びであったとしても、3つの礼は、欠かすことなくきっちりやってほしいと考えます。

なぜ私がそのように考えるのかというと、「礼に始まり礼に終わる」というのが日本の伝統文化に通じる礼儀作法だからです。特に「負けました」と自ら負けを認めるのは将棋独特であり(厳密には、チェスなど将棋と似たのゲームの中には、自ら終止符を打つものも数多ありますが、日本の将棋ほど明確に負けました、と宣言するゲームは世界的に例がないと思われます)、少し厳しいとは思うのですが、自ら負けましたということで、力不足や至らなさ、勝負の厳しさなど、将棋の楽しさ以外のことも子どもたちに身につけてもらえればと思っています。

子どもにはまだ難しいかもしれませんが、負けてもかっこいい、それが将棋なんです(^^)

さて、長くなってしまいましたが、今回のいつつブログはいかがでしたでしょうか?今回ご紹介した以外にも、飛車を相手の陣地から引いた時に成れるというのを知らないとか、歩兵のことを「ほへい」と読んでいるとか我流の将棋はたくさん存在します。

ただ、冒頭でも述べたように、原則的には、互いが楽しく将棋を指せるならそれでok( ´ ▽ ` )ノもし、学校や学童で将棋をしているけど、きちんとした将棋のルールや作法を知りたい、もしくはお子さんに知ってほしいという方がいればこの記事を参考にしてくださいね。

なお、今回のブログを制作するにあたり、日本将棋連盟・将棋歴史文化アドバイザーの西條耕一氏よりアドバイスをいただきました。この場を借りてではありますが、お忙しい中ご協力いただきましたこと、心より感謝いたします。

学校や学童もいいけど、教室できちんと将棋を学びたいという方はいつつ将棋教室へ。体験会も実施していますのでお気軽にご参加ください(^^)

お子さんに将棋をはじめてもらいたいと思ったら、子ども向けの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸のしょうぎやさんいつつまで

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